通勤における自転車利用のあり方に関する研究
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まず、促進策を講じることによって自転車通勤がしやすくなるか否かに関する意識は、「通勤手当や報奨金」を講じることにより自転車通勤がしやすくなると回答した割合が最も高い。続いて「電動自転車購入補助」が多く、「自転車保険の補助」と「自転車配備」、「雨天時サポート」の3つの促進策が約50%と同程度である。 次に、促進策を講じることによって自転車通勤を考えるか否かに関する意識は、上述のしやすさと同様に、「通勤手当や報奨金」と「電動自転車購入補助」を講じることにより、自転車通勤を考える方が多い。続いて、「自転車配備」を講じることによって自転車通勤を考える方が多いことから、自転車を保有していない方や公共交通機関で通勤している方へのサポートも重要であることが明らかとなった。 図 4-8-1と図 4-8-2を比較しても分かるように、促進策を講じることによって自転車通勤が「しやすくなる」という意識が、実際に自転車通勤を「考える」という意識になると半減している。この様に2つの設問を設けることにより総論賛成・各論反対になりがちなアンケート調査の課題をある程度克服できたと考えており、自転車通勤を「考える」と回答した方々の属性などを詳細に分析することにより、自転車通勤の促進に向けたターゲットが明らかになると考える。ここでは、促進策のなかで一番受容性が高かった「通勤手当や報奨金」を講じることにより自転車通勤を考えると回答した方々の属性を集計する。 図 4-8-3に集計結果を示しているが、年齢は体力的にも元気な20歳代~40歳代の方が約80%を占め、通勤距離は10km以内の方が60%であった。距離が遠い10km以上の方の約70%が20歳代(25名)と30歳代(27名)の若年層であった。また、勤務地周辺の渋滞に関してはあまり深刻と感じていないが、環境に対する問題意識が高い方々である。 0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%年齢(N=223)性別(N=206)通勤手段(N=205)通勤距離(N=192)環境問題(N=223)豊田市渋滞(N=222)勤務地周辺渋滞(N=222)~20歳30歳代40歳代50歳代60歳~男女自家用車徒歩~5km5~10km10~15km15km~かなり深刻深刻あまり深刻でない全く深刻でない 図 4-8-3 「通勤手当や報奨金」を講じて自転車通勤を考える回答者の属性

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