通勤における自転車利用のあり方に関する研究
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1.はじめに 1-1. 研究の背景 (公財)豊田都市交通研究所では、道路交通の円滑化を図る取り組みとして、1台あたりの乗車人員が少ない自家用車が時間的・場所的に集中する通勤交通をターゲットとした対策に資する研究を進めている。 また、豊田市が「環境モデル都市アクションプラン」1)に掲げるCO2削減目標(1990年を基準として2030年までに運輸部門のCO2を40%削減)を達成するためには、一定のボリュームを有する通勤目的トリップを対象にマイカー利用から公共交通あるいは自転車への大幅な転換が欠かせない状況でもある。 これまでの実績としては、事業所が主体的にエコ通勤に取り組むことを目指した「豊田市エコ通勤をすすめる会」2)の事務局の運営を行いながら、その会員事業所を対象にして、端末交通としての自転車利用の拡大・促進を図るため平成21年度にはアクセス・イグレス利用の組み合わせに着目した自転車共同利用「コンビ デ ケッタ」3)、平成22年度にはイグレス利用に着目した「駅から自転車」4)の実証実験を行い、実験結果を補助事業の成果報告書や学会などで報告するとともに、継続的に実施している事業所のサポートを行っている。 1-1-1. 豊田市エコ通勤をすすめる会について2) 豊田市では、平成6年度から継続的にTDM(Transportation Demand Management:交通需要マネジメント)施策に取り組んでおり、平成6年度のTDM社会実験をはじめとする実践的な取り組みを展開し、平成8年度に設立した「TDM研究会」を母体とした活動を行ってきた。平成17年、18年度の2ヵ年は、国の事業(国土交通施策創発調査)やNEDOの補助事業に位置付けながら、自動車通勤者を対象としたWeb-TFPシステムによる取り組み「チャレンジECO通勤」を実験的に実施し、一定の成果を得てきた。 さらに、平成19年度には基幹バス(とよたおいでんバス)の運行が始まったことや、愛知環状鉄道の通勤時間帯における輸送力が増強されたことなど、一部地域ではエコ通勤促進において不可欠な公共交通手段の確保も進んだ。 そうした中で、平成20年に「TDM研究会」を改編し事業所が主体的にエコ通勤に取り組むことを目指した「豊田市エコ通勤をすすめる会」を設立した。「豊田市エコ通勤をすすめる会」は豊田市ならびに豊田商工会議所、(公財)豊田都市交通研究所が事務局を務め、豊田市内の道路交通混雑の緩和や公共交通の利用促進、環境負荷の軽減を図ることを目指した活動に取り組んでいる。
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