地域公共交通に関する研究-2
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- 5 - • 運行契約に際し、市と運行事業者は「基本協定」を交わす。基本協定書には以下の条文が記されており、年度協定を交わすこと、それに基づき市の負担金を算出すること、などが定められている。 • 年度毎に交わされる「年度協定」では、当該年度の「運行経費」および「運行収入」の予定額(見積額)を定める。 • 年度当初に見込んだ運行収入の予定額と実績値とに差額が生じた場合については、年度協定書において以下の条文により定められている。 上記の年度協定書に記された条文が、運行事業者の赤字削減努力に繋がるインセンティブとなることが想定されている。すなわち、収入が予定額よりも増えることで得られる利益は、その全額が行政負担の削減に充てられるのではなく、半額を運行事業者が得ることができる、という仕組みである。 (2) 年度協定更新の実態 インセンティブ契約を適用し、半期以上経過している9路線について、豊田市交通政策課が整理した収入の差分を表3-2に示す。▲はマイナス(実績が見積に満たなかった状況)を示す。また、平成22年度は半期(4~9月)での差額である。 表3-2 収入の見積額と実績値との差額 路 線 平成22年度 平成23年度(半期) 路線A 4,688,075 円 1,168,165 円 路線B 未適用 ▲ 306,402 円 路線C 未適用 1,754,605 円 路線D 未適用 ▲ 903,234 円 路線E 未適用 2,758,845 円 路線F 未適用 1,495,773 円 路線G 未適用 635,731 円 路線H 未適用 2,505,045 円 路線I ▲ 6,100,605 円 ▲ 4,464,652 円 (年度協定) 第2条 甲及び乙は、運行計画書、運行経費、運行収入額並びに運行負担金及び支払い方法について、別途、年度協定を締結する。 (負担金の支払い) 第3条 甲は、年度協定に基づき運行負担金を乙に支払う。 (運行負担金の確定) 第8条 運行収入等の実績と当初見込んだ運行収入等(変更があった場合は変更後の運行収入等)に差額が生じた場合は、甲乙協議してその差額を折半する方法により運行負担金を変更する。ただし、協議開始の日から10日以内に協議が整わない場合には、甲が運行負担金額を定め、乙に通知する。

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