地域公共交通に関する研究-2

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- 4 - ３．豊田市におけるバス運行契約の実態と課題 (1) 豊田市における運行契約の特徴 豊田市において行政が主体となって運行しているバス交通（タクシー車両による乗合交通を含む）は、平成23年度末現在で基幹バス（とよたおいでんバス）15路線の運行と、16地域での地域バス運行がなされている。基幹バスおよび一部の地域バス（福祉バスに位置付けられるもの）は市交通政策課の直轄であり、同課が運行内容を設定し、交通事業者へ運行を委託している。一方、それ以外の地域バスは社会部が主管する各地域の支所の管轄にあり、地域住民による運営協議会等で運行内容を設定し、交通事業者に運行委託するものと市（支所）が直接運行を行っているものとに分かれている。 表3-1 豊田市の「自治体バス」（平成24年3月現在） 基幹バス（とよたおいでんバス） 地域バス（福祉バスを除き支所管理） 名 称 運行者 名 称 運行者 1. 旭・足助線 交通事業者 1. 旭地域バス 市（支所） 2. 旭・豊田線 交通事業者 2. 足助地域バス あいま～る 市（支所） 3. 豊田・渋谷線 交通事業者 3. 稲武地域バス 交通事業者 4. 稲武・足助線 交通事業者 4. しもやまバス 交通事業者 5. 小原・豊田線 交通事業者 5. 水源東バス 交通事業者 6. さなげ・足助線 交通事業者 6. 石野交流コース（福祉バス） 交通事業者 7. 下山・豊田線 交通事業者 7. ささゆりコース（福祉バス） 交通事業者 8. 中心市街地玄関口バス 交通事業者 8. 高嶺交流コース（福祉バス） 交通事業者 9. 藤岡豊田線（加納経由） 交通事業者 9. 若園コース （福祉バス） 交通事業者 10. 藤岡豊田線（西中山経由） 交通事業者 10. つくばねバス 交通事業者 11. 川口・飯野線 交通事業者 11. 鞍ヶ池バス 交通事業者 12. 保見・豊田線 交通事業者 12. 藤岡地域バス（ふじバス） 交通事業者 13. 豊田東環状線 交通事業者 13. 保見地域バス 交通事業者 14. 土橋・トヨタ記念病院線 交通事業者 14. 高岡ふれあいバス 交通事業者 15. 上郷・若林線 交通事業者 15. 松平ともえ号 交通事業者 16. 小原地域バス（おばら桜バス） 交通事業者 これらバス路線のうち基幹バスの運行委託契約において、収入増に向けた運行事業者の努力を促すインセンティブとなる要素を包含した仕組みが、平成22年度に導入された。この仕組みは、それまでの契約が完了し新たに事業者選定を行うタイミングで順次導入しているため、平成23年度末時点では10路線に適用されている。 この運行委託の仕組みの概要は、以下に列記するとおりである。 • 運行事業者の選定は、運行に掛かる価格のみの競争入札ではなく、業務体制や安全面の対応能力などを考慮したプロポーザル方式によるものである。 • 契約期間は3～5年の複数年度契約が適用されており、プロポーザル時に契約期間におけるトータルの「運行経費」および「運行収入」の見積額を提示する。