障がい者の移動に関する研究
62/65

58⑦公共交通に対する不満点 障がい者にとって重要な交通手段であると考えられる鉄道利用時と路線バス利用時の問題点について、当てはまるものすべてを回答してもらった結果を指摘率形式でまとめたものが表4-4、4-5である。鉄道、バスともに年齢に限らず、地方都市における一般的な課題である駅・停留所の位置、運行本数といったサービス水準の低さが指摘されている。また年齢に著目すると、高齢になるに従って、課題と感じる項目が少なくなる障がいが多いことが窺える。これは障がいを持たない方にもみられる傾向であり、年齢を重ねるに従って、公共交通機関等、社会基盤に対して特定の課題を抱かなくなるものが、障がい者にも生じていることが窺える。 表4-4 鉄道利用時の問題点(指摘率) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ 視覚 非 0.26 0.26 0.37 0.05 0.00 0.05 0.32 0.16 0.11 0.00 0.00 0.00 0.16 0.16 0.26 前期 0.28 0.00 0.11 0.00 0.06 0.06 0.22 0.06 0.00 0.00 0.06 0.00 0.11 0.06 0.22 後期 0.43 0.03 0.17 0.09 0.00 0.06 0.11 0.06 0.00 0.03 0.00 0.00 0.03 0.09 0.03 聴覚 非 0.27 0.33 0.00 0.02 0.02 0.02 0.08 0.02 0.00 0.04 0.04 0.00 0.02 0.00 0.13 前期 0.21 0.07 0.14 0.21 0.00 0.07 0.07 0.07 0.21 0.00 0.00 0.07 0.14 0.00 0.00 後期 0.47 0.07 0.07 0.07 0.07 0.00 0.07 0.07 0.00 0.00 0.07 0.07 0.13 0.07 0.07 下肢不自由 非 0.35 0.04 0.17 0.30 0.09 0.04 0.00 0.17 0.09 0.00 0.00 0.04 0.09 0.09 0.09 前期 0.48 0.00 0.19 0.29 0.05 0.05 0.05 0.14 0.00 0.10 0.10 0.10 0.14 0.05 0.10 後期 0.39 0.00 0.17 0.11 0.03 0.14 0.11 0.11 0.06 0.00 0.14 0.11 0.06 0.03 0.03 体幹 非 0.33 0.20 0.40 0.20 0.20 0.07 0.20 0.27 0.00 0.13 0.07 0.13 0.27 0.13 0.07 前期 0.36 0.00 0.27 0.27 0.09 0.18 0.00 0.18 0.09 0.00 0.00 0.00 0.27 0.00 0.18 後期 0.38 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 ※表頭の凡例は次のとおり:①自宅や目的地の近所に駅がない、②電車の本数が少ない、③駅までや駅からの道に段差等がある、④駅にエレベータやエスカレータがない、⑤階段に手すりがない、⑥駅構内の段差にスロープがない、⑦自動券売機が使いづらい、⑧障がいに配慮されたトイレがない、⑨利用したい時間帯の列車が混雑しているため利用できない、⑩鉄道を利用する際、事前連絡が必要、⑪列車に乗り込む際、駅員の介助がない、⑫列車内に車いす用スペースがない、⑬優先座席が空いていない、⑭周りの目が気になる、⑮その他 ※網掛けは指摘割合が0.2以上のもの 表4-5 路線バス利用時の問題点(指摘率) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ 視覚 非 0.47 0.37 0.11 0.00 0.00 0.00 0.00 0.21 0.00 0.00 0.11 0.00 0.00 0.00 0.00 0.11 前期 0.22 0.33 0.06 0.00 0.06 0.00 0.00 0.11 0.00 0.00 0.06 0.06 0.06 0.06 0.06 0.11 後期 0.31 0.17 0.09 0.03 0.00 0.03 0.03 0.06 0.06 0.00 0.06 0.03 0.00 0.00 0.03 0.03 聴覚 非 0.27 0.42 0.02 0.00 0.00 0.00 0.00 0.04 0.06 0.00 0.04 0.02 0.00 0.02 0.00 0.13 前期 0.21 0.29 0.14 0.00 0.07 0.00 0.00 0.07 0.07 0.07 0.07 0.00 0.00 0.07 0.00 0.07 後期 0.33 0.27 0.00 0.00 0.00 0.00 0.07 0.07 0.00 0.00 0.00 0.00 0.07 0.13 0.07 0.07 下肢不自由 非 0.26 0.22 0.13 0.00 0.00 0.04 0.00 0.09 0.09 0.04 0.04 0.00 0.00 0.00 0.04 0.04 前期 0.43 0.19 0.05 0.10 0.10 0.10 0.05 0.05 0.10 0.05 0.10 0.05 0.05 0.10 0.05 0.10 後期 0.33 0.14 0.19 0.06 0.06 0.19 0.06 0.08 0.08 0.03 0.11 0.14 0.08 0.08 0.00 0.03 体幹 非 0.00 0.40 0.13 0.00 0.13 0.00 0.00 0.27 0.13 0.20 0.20 0.07 0.20 0.33 0.13 0.13 前期 0.55 0.36 0.18 0.00 0.27 0.00 0.00 0.09 0.00 0.00 0.09 0.00 0.00 0.18 0.00 0.09 後期 0.13 0.13 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.13 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 ※表頭の凡例は次のとおり:①自宅や目的地の近所にバス停がない、②バスの本数が少ない、③バス停までやバス停から道に段差等がある、④バスの乗車時に、運転手等が車いす用リフトやスロープを操作できない、⑤ノンステップバスが走っていない、⑥車いす用リフト付バスが走っていない、⑦車いす用スロープ付バスが走っていない、⑧料金の支払いがしづらい、⑨リフト付バス等の障がいに対応したバスがどの時間に走っているかわからない、⑩利用したい時間帯のバスが混雑しているため利用できない、⑪バス車両内に段差がある、⑫バス車両内に車いす用スペースがない、⑬つり革や手すりが持ちにくい、⑭優先座席が空いていない、⑮周りの目が気になる、⑯その他 ※網掛けは指摘割合が0.2以上のもの 3)まとめ 以上をまとめると、多くの障がいで高齢になるに従って交通に変化が生じていることが窺える。その傾向が特に強いのは下肢不自由であり、介助者の必要性や、外出目的の有無、自動車の利用環境など様々な状況下で高齢障がい者の特徴があらわれている。対照的に、あまり高齢の影響がみられなかったのは視覚障がい者であった。視覚障がい者は年齢に関係なく、交通環境下での課題に直面している可能性が窺える。

元のページ  ../index.html#62

このブックを見る