障がい者の移動に関する研究
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502)結果 ①外出における介助者の必要性 図4-2は障がい者の年齢と外出における介助者の必要性の関係を示している。全般的に視覚障がい、体幹障がいは外出時に介助者を必要とする方が多く、聴覚、下肢不自由障がいは必要としない方が多い。年齢による傾向を探るため、フィッシャーの正確確率検定を行ったところ、下肢不自由にのみ年齢によって有意差(p<0.05)がみられた。この結果から、下肢不自由障がいの方は高齢になるに従って介助者が必要となる場合が有意に増えていくといえる。 0%20%40%60%80%100%非高齢(n=19)前期高齢(n=18)後期高齢(n=35)非高齢(n=46)前期高齢(n=13)後期高齢(n=14)非高齢(n=23)前期高齢(n=20)後期高齢(n=36)非高齢(n=15)前期高齢(n=11)後期高齢(n=8)視覚聴覚下肢不自由*体幹必要性あり必要性なし ※フィッシャーの正確確率検定 **:1%有意、*:5%有意 図4-2 外出時における介助者の必要性 ②目的別の外出の有無(過去1ヶ月間) 図4-3~6は障がい者の年齢と過去1ヶ月間の目的別の外出の有無の関係を示している。 まず通勤通学目的について年齢による傾向を探るため、フィッシャーの正確確率検定を行ったところ、体幹障がい者を除く障がい者で年齢によって有意差がみられた。特に聴覚障がい者は1%水準での有意差が検出されている。有意差がみられたいずれの障がいも高齢になるに従って通勤通学といった目的で外出する方が有意に減少することがわかる。この結果は健常者であっても同様の傾向があると想定される。 次に買い物目的について年齢による傾向を探るため、フィッシャーの正確確率検定を行ったところ、視覚、下肢不自由障がい者で年齢によって有意差がみられた。特に下肢不自由障がい者は1%水準での有意差が検出されている。下肢不自由障がいの場合、高齢になるに従って買い物目的で外出する方が有意に減少することがわかる。一方、視覚障がい者の場合、すべての前期高齢者が買い物目的で外出する一方、非高齢者、後期高齢者は外出する方が減少している。この原因については別の観点からの考察が求められよう。 次に通院目的について年齢による傾向を探るため、フィッシャーの正確確率検定を行ったところ、体

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