障がい者の移動に関する研究
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45表3-18 公共交通環境の課題 課題となる対象 課題の内容 指摘内容 同行多 本人の能力からみた行動時の課題 人の応対 ・乗り物に乗ると他人にどうしてもしゃべりかけてしまう。それを理解してもらえる社会の見方ができるとよい。昔と比べると大分良くなっているが、何かあったときに助けてもらえるようになるとありがたい。 ・別の子の話だが、バスの中でいじめられたこともあるそうだ。輪音のバス停に止まる路線だと運転手も障害についてわかってもらえているので良いが、他だと理解してもらえない。行動範囲にある環境の人は障害について理解してくれていることが多い。 交通空間 ・バスは揺れがひどく足が悪いのもあって立っていられない。 ・電車のホームに落下するんじゃないかという不安感がある。 ・名鉄バスなどバスによってはステップが高い気がする。 交通システム ・鉄道とバスの乗継の場合、歩く速度が遅いので普通の人だと乗り継ぐことができる時間でも乗継が困難な場合がある。 ・駅で電車の長さ(編成数)で乗る位置を固定したが、たまに編成数がことなる車両が入ってきたときに逆の方向に行ってしまったことがあった。無事帰ってこれたのだが、どのように帰って来たかは不明。駅員によれば、本人から声をかけてくれれば対応できるが、かけてもらえないと対応のしようがないとのことだが、本人は「わかりません」ともいえない。 ・以前名鉄バスの中でトイレに行きたくなって、降りた瞬間に漏らしてしまったことがある。もし仮に車内でそのような事態になると、乗車拒否を宣告されてしまい、スクールバス以外の車両が使えなくなってしまう。 ・行動がマイペースのため、以前公共交通機関に時間どおりに乗れなかったことがあった。そのとき自ら親切な人を探して車で送ってもらったことがある。 本人の能力等を踏まえた介助者対応時の問題 人の応対 ・住所、電話番号を伝えるだけではわからないタクシーがある。そのようなことがあって以降、地図を一緒に持たせるようにした。本人は載せてもらえなかったタクシーを避けるようになり、乗せてもらったタクシーにこだわってのるようになった。 交通空間 ・豊田市の場合、タクシーに乗ろうとした場合、タクシーロータリーを横断して中央の島まで行かねばならないが、自動車の往来が激しく、とても危険であるため利用をしないようにした。 ・トイレについて、介助者が1人入れるぐらいのスペースのものがあると良い。通常の公共トイレだと座るスペースすらない。洋式で少し幅があるとありがたい。 交通システム ・バスは後ろから乗って前で降りることが一般的だが、前に行くことができず下りられない時があるので使わない。 ・練習しないと乗れない。それに1度嫌な目にあうと二度とそれには乗れない。そのため、基本的に車を使うことが多い。 同行少 本人の能力からみた行動時の課題 人の応対 ・定期を落としてしまい、無人の駅から出られなくなってしまった(愛環梅坪)。携帯への連絡も出来ずにいたら、女性が回数券をくれて出ることができた。このような状況になるとオロオロするばかりになってしまう。 ・何かトラブルがあった際に、立て続けに言われるとパニックに陥ってしまう。ゆっくり応対してもらいたい。 交通空間 ・大きな駅では電光掲示板があるが、小さい駅などでは無い。本人は時刻表などをみて時間を照らし合わせるのが難しいので、大きく目立つ電光掲示板ができるだけ同じような位置にあると良い。人とコミュニケーションを取るのが難しいため、本人は視覚から得られる情報を大きな頼りにしている。 ・東京などでは車両の中に駅を表示する電光掲示板があるが、このような視覚的な情報提供が本人とって安心感を与える。 交通システム ・名鉄では療育手帳を提示しないと半額にならないが、コミュニケーションが難しいため、本人一人では提示することができない。マナカのような交通カードと一体的に半額になるような仕組みを整えてもらえると良い。 ・中々降りられなくて困ったことがある(バス) ・何回乗り換えしても使えるような交通カードがあると良い。本人は切符を使うことができない上、困ったとしても困ったとも言えない(困っていることすらわからない)。すなわち、人に助けを求められない。 本人の能力等を踏まえた介助者対応時の問題 人の応対 ― 交通空間 ― 交通システム ・時刻表は読めないので、携帯を持ち込ませるなどしている。 ・歩いて行動するしかない。バスやタクシーに対して時間的・金銭的な配慮、さらにはサポート体制があると良い。
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