障がい者の移動に関する研究
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31 表3-3 外出時の介助の必要性と目的別の外出者の割合 知的 精神 介助 必要 介助 不要 判定 介助 必要 介助 不要 判定 通勤・通学 あり 0.75(18) 0.77(10) 0.05(1) 0.43(10) ** なし 0.25(6) 0.23(3) 0.95(20) 0.57(13) 買い物 あり 0.96(22) 0.87(13) 0.82(23) 0.9(27) なし 0.04(1) 0.13(2) 0.18(5) 0.1(3) 通院 あり 0.64(14) 0.31(4) 0.9(27) 0.94(34) なし 0.36(8) 0.69(9) 0.1(3) 0.06(2) 福祉施設等訪問 あり 0.27(6) 0.31(4) 0.25(6) 0.3(7) なし 0.73(16) 0.69(9) 0.75(18) 0.7(16) 行政施設訪問 あり 0(0) 0.17(2) 0.13(3) 0.42(10) * なし 1(22) 0.83(10) 0.87(20) 0.58(14) 銀行等 訪問 あり 0.05(1) 0.25(3) 0.27(6) 0.68(17) ** なし 0.95(21) 0.75(9) 0.73(16) 0.32(8) 娯楽施設訪問 あり 0.32(7) 0.46(6) 0.27(6) 0.46(11) なし 0.68(15) 0.54(7) 0.73(16) 0.54(13) ※( )内は該当者数を示す ※過去1ヶ月間の当該目的の外出有無 ※フィッシャーの正確確率検定 **:1%有意、*:5%有意 図3-7、3-8は外出時の介助の必要性と生活必需的と考えられる主要3目的を達成するために用いる交通手段数の関係を示している。知的障がい者の傾向(図3-7)について、マンホイットニーのU検定を行ったところ、通院目的で有意差(p<0.05)がみられた。その他の通勤・通学、買い物では有意差があるとはいえなかったが、いずれも外出時に介助が必要な方において用いる交通手段の数が少なくなるなど、交通手段選択の多様性が狭くなっている。一方、精神障がい者の傾向(図3-8)について、同様にマンホイットニーのU検定を行ったところ、いずれの目的においても有意な差があるとはいえなかった。精神障がい者では外出時に介助が必要な場合でも用いる交通手段の数に変化がないことが窺える。 エラー! リンクが正しくありません。 ※マンホイットニーのU検定 *:5%有意 図3-7 外出時の介助の必要性と交通手段の数(知的) エラー! リンクが正しくありません。 図3-8 外出時の介助の必要性と交通手段の数(精神) 3)まとめ 本研究の成果をまとめると以下のようになる。 (1)障がい程度の判定が「中程度」で、外出時に介助が必要となる知的障がい者は、介助を必要としない知的障がい者と比べて、特に自動車を利用できる環境にあり、選択している交通手段の数が少ないなどの特徴があるものの、外出日数、活動時間、外出目的といった主要な交通行動特性に差は生じていない。

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