障がい者の移動に関する研究
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28必要な場合が多い。一方、精神障がいでは、40歳以下の比較的若い年齢層で外出時に介助が必要な場合が多い。 図3-2は自動車免許の保有状況と外出時の介助の必要性の関係を示している。知的障がい者の多くが自動車免許を保有していない。他方、精神障がい者の約半数は自動車免許を保有している。フィッシャーの正確確率検定を行ったところ、いずれの障がいにおいても外出時の介助の必要性によって自動車免許の保有に有意差があるとはいえなかった。 図3-3は自動車の利用環境と外出時の介助の必要性を示している。フィッシャーの正確確率検定およびカイ二乗検定を行ったところ、知的障がい、精神障がいともに介助の必要性によって有意差(p<0.05)がみられた。知的障がいで外出時に介助が必要な方は比較的自動車を利用できる環境にあること、精神障がいで外出時に介助が必要な方は自分で自動車を運転できなくとも何らかの形で自動車を利用できる環境にある場合が比較的多いことなどがわかる。 表3-2 分析対象者の個人属性 知的 精神 介助必要 介助不要 介助必要 介助不要 性別 男性 15(0.58) 10(0.53) 14(0.39) 23(0.56) 女性 11(0.42) 9(0.47) 22(0.61) 18(0.44) 年齢 10歳以下 5(0.19) 0(0) 0(0) 0(0) 11~20歳 9(0.35) 5(0.26) 1(0.03) 1(0.02) 21~30歳 4(0.15) 3(0.16) 8(0.24) 4(0.1) 31~40歳 1(0.04) 9(0.47) 8(0.24) 7(0.17) 41~50歳 1(0.04) 1(0.05) 7(0.21) 9(0.22) 51~60歳 3(0.12) 1(0.05) 4(0.12) 10(0.24) 61~70歳 3(0.12) 0(0) 4(0.12) 10(0.24) 71歳以上 0(0) 0(0) 2(0.06) 0(0) ※単位:人、( )内は全体に対する割合 0%20%40%60%80%100%介助必要(n=26)介助不要(n=20)介助必要(n=36)介助不要(n=41)知的精神免許あり免許なし 図3-2 自動車免許の保有状況と外出時の介助の必要性

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