環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みと豊田市を対象とした試算
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5凡例(3) 環境負荷(4)インフラ維持費用(5)QOLインフラ維持費用分布環境負荷分布QOL分布年齢別・種類別インフラ分布人口分布住宅分布初期(t=0 )年齢別・種類別インフラ分布人口分布住宅分布t期年齢別・種類別t期コーホートモデル出生率・死亡率,インフラ・住宅の残存率環境負荷原単位,費用原単位,QOLへの価値観費用・環境効率推計モデル(2)(6)都市域持続可能性の検討外生変数内生変数モデル 図 システムの全体構成(カッコの番号は本章の項番号と対応) (2)将来インフラ量・住宅量・人口の推計モデル a) 人口推計モデル 1995年および2000年の男女別、年齢5歳階級別人口をもとにして、合計特殊出生率・生残率・人口移動率を外生変数とし、コーホート要因法によって2005年から5年おきに予測している。このとき、合計特殊出生率・死亡率は将来にわたり年齢階級毎で一定であると仮定する。また、人口移動率は立地施策によって異なることになる。本研究では、分析単位時間を1年とするため、5年単位の予測を線形補間して使用する。予測には国立社会保障・人口問題研究所が提供している小地域簡易将来人口推計システム9)を用いている。 なお、将来人口予測の際の空間的な単位が4次メッシュ単位のように小さい場合、外生変数に関する不確定要素の影響を大きく受けてしまうため、本研究ではある程度大きな地域で推計した値を各メッシュに配分する。配分比率として、2005年国勢調査地域メッシュ統計におけるメッシュ人口とそれが属する地域の人口との比を用い、この比が将来にわたり一定であると仮定する。 b) インフラ・住宅量推計モデル 人口推計と同様に、対象地域における将来のインフラ・住宅量の推計もコーホート要因法により行う。t年のメッシュiにおける経過年数aのインフラk・住宅hの存在量()1,,1,orXtiakh++を式(1)により推計する。 ()()()1,,1,,,,,,,orororXtiakhRtiakhXtiakh++= (1) ここで、(),,,orRtiakh:インフラk・住宅hのt年から1t+年への残存率。 なお、インフラの残存率は、その耐久性の設定によって異なるが、本研究では種類別に「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」10)に規定された耐用年数などを参考に設定し、住宅については小松ら11)を参照し構造別に設定する。 また、(1)システムの全体構成で延べたように、人口や住宅立地量は世帯や個人の居住地選択行動をモデル化した居住地選択モデルを含む土地利用モデルにより推計することを目指しており、組み合わせることを予定している土地利用モデルについて次ページで概説する。

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