環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みと豊田市を対象とした試算
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26第4章 まとめ 本研究では、豊田市における様々な既存計画を低炭素社会の実現という視点から検証するために、都市構造の変化を分析するための土地利用モデルと組み合わせた都市構造評価システムの構築に向けて、1)環境・経済・社会のトリプル・ボトム・ラインの視点からの都市構造評価の枠組みを整理し、2)豊田市を対象とした試算を行った。 環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みについては、持続可能な都市構造の検討に必要と考えられる環境・経済・社会のトリプル・ボトム・ラインとして、それぞれCO2排出量、道路・上下水道維持費、生活環境質(QOL)から都市構造を評価する枠組みを整理した。QOLについて別途実施された既存調査を使い、年齢・世帯構成・性別に価値観を表す重みを推定した。 また、豊田市対象とした試算では、整理した環境・経済・社会のトリプル・ボトム・ラインによる都市構造評価の枠組みを豊田市に適用し、土地利用モデルを組み込む前の試算として、豊田市の総合計画に示されている都市及び地域拠点を参考に設定したいくつかの拠点に人口を集約した場合の試算を行なった。 今後は、土地利用モデルに用いた、豊田市が目指す多核ネットワーク型都市構造実現に向けた各種施策の実施による都市構造変化のシミュレーション結果を環境・経済・社会(Triple Bottom Line:TBL)の視点から評価し、豊田市の既存計画の問題点を解決するための課題を整理し、交通課題のみならず、土地利用・まちづくり全般を重視した政策を提言していく予定である。 謝辞 豊田市を対象として試算にご協力いただいた名古屋大学環境学研究科林・加藤研究室の増田氏に深く感謝申し上げます。

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