環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みと豊田市を対象とした試算
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23(3)人口集約による生活環境質(QOL)の変化 下図に現状と2045年のQOLの各要素の平均を示す。なお、2045年を考える際に、ライフステージ別の価値観を考慮して人口移転を行ったケース(価値観考慮)と価値観を考慮せずに人口移転を行ったケース(価値観未考慮)の2つのケースを検討する。交通利便性(AC)はシナリオ間で一定であるとしたために、ACの増減は見られない。居住快適性(AM)をみると移転後の方が現在よりも向上していることがわかる。その理由として、集約地区における住宅を現在よりも広く設定したので、1人当たりの床面積が増加した効果が大きいと考えられる。各地区の平均値をみると一人当たり10m2以上床面積が増加している。安全安心性(SS)をみると図からは判断が難しいが若干数値が上昇している。この指標の数値が増加しているということは、災害安全性が現在より低下していることを意味する。これは世帯数の増加に伴い侵入窃盗の事件数も増加し、人の集約が高まるほど、交通事故発生確率も高まるという仮定によるものだと考えられる。 図 QOL平均値(左:現状、中央:将来・価値観未考慮、右:価値観考慮) 次に、町丁目ごとのQOL総量(個人のQOLに町丁目人口を乗じたもの)を次ページの図に示す。移転者の価値観を考慮したケースと考慮しないケースを比較すると、価値観を考慮した場合の方が全体的にQOL総量の値が高くなっている。
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