環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みと豊田市を対象とした試算
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163.3 環境・経済・社会(トリプル・ボトム・ライン)の試算結果 ここでは環境・経済・社会のトリプル・ボトム・ラインの試算結果を示す。 (1)豊田市の概要 豊田市の鉄道路線・駅、支所、人口密度を次ページの図に示す。なお、斜線で表示された町丁目(ポリゴン)が鉄道駅、支所のいずれかが立地する場所を示す。豊田市は2005年に近隣の4町2村と合併によって、人口は愛知県で2番目に多い約42万人(豊田市HP、2012)、面積は愛知県で一番広い約900km2(豊田市HP)となった。そして、その面積の約7割(約630km2)が森林で、残りの約3割に市街地やトヨタ自動車に代表される工場を中心とした工業地帯を持つことが特徴である。 また、下図に国立社会保障・人口問題研究所による豊田市の将来人口推計を示す。これより豊田市の人口は現在増加しているが、今後が減少に転じた場合、拡大した市街地のインフラを維持するために,住民1人当たりの負担が大きくなることが懸念される。特に、豊田市には工業の発展に伴って郊外に建設された大型団地が多数存在し、それらの老朽化に伴うインフラの大量更新時期が迫るため、財政負担を増大させる恐れがある。また、農村部に目を向けると、合併前町村の人口はすでに減少しており、このままでは少子高齢化が一層進行し、放置住宅の発生による住宅の荒廃や地域コミュニティの崩壊といった深刻な問題が発生することも予想される。 図 豊田市の将来人口推計 図 合併前町村の将来人口推計

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