環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みと豊田市を対象とした試算
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13(3)社会面(住民の生活環境質)の推定方法 住民の生活環境質は、下表に示す加知ら(2006)が規範的に設定した生活環境を構成する要素に住民の価値観を考慮して推定する。住民の価値観の推定は、宮田ら(2011)が実施した居住環境に対するアンケート調査のデータを用いる。アンケート調査の概要と推定結果等を以下に示す。 表 櫛田川流域を対象として生活環境に関するアンケート調査の概要 項目 内容 調査期間/方法 2011年10~12月/郵送による調査票の配布・回収 配布対象 三重県松阪市、同県多気郡多気町に在住の世帯 質問内容 ・ 調査において規範的に設定された生活環境質を構成する3分類、各4要素に対する重要度に関する順位付け(全4問) ・ 調査において規範的に設定された生活環境質を構成する3分類全12属性から作成した居住地の2肢選択質問(全24問) ・ 個人属性(居住地の郵便番号・住所、性別、年齢、家族構成・世帯人数、住宅タイプ、自動車保有、最寄り駅までの距離、移転意向、全8問) 【生活環境質の構成】 生活環境質は交通利便性(就業、教育・文化、健康・医療、買物娯楽)、居住快適性(居住空間快適性、景観調和性、自然環境性、局地環境負荷性)、安全・安心性(地震安全性、洪水安全性、犯罪、事故)の3つから構成される。 有効回答数 873 推定に用いたモデルは、環境要素12と家賃の合計13変数を用いた2項選択ロジットモデルと用いて、次のように定式化する。 ()()()()()()131expPr,Pr1Pr,,expexpAiijjjABVABAVXiABVVα===−==−∑ ここで、iVは地区iを選択した場合の効用、ijXは地区iのj番目の要素を示す。なお、j番目の要素は下表の属性列に示す番号に対応している。

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