環境・経済・社会による都市構造評価の枠組みと豊田市を対象とした試算
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9(5)QOL推計モデル 市街地内各地区における居住者のQOLは既報8)に従い、a)社会資本や公共・民間施設の充実度、眺望や景観の良好度、災害からの安全性といった居住地区における環境の物理量と、b)そこに居住する個人の主観的な価値観によって決定されると考える。このうちa)については交通利便性(ACcessibility: AC)、居住快適性(AMenity:AM)、災害安全性(Safety & Security: SS)、の3つの要素からなる「生活環境質向上の機会(Life Prospects: LPs)」をQOLの構成要素として定義し用いる。さらにLPsを説明する階層構造を表-1のように定義する。算出方法の詳細は既報8)を参照されたい。 表 QOL構成要素(LPs)の階層構造8) 分類 評価要素 指標 就業施設利便性 就業場所へのAC 教育・文化施設利便性 高校、美術館・博物館、 図書館へのAC 健康・医療施設利便性 病院へのAC 交通利便性 Accessibility:AC 買物・サービス施設利便性 大型小売店へのAC 居住空間使用性 1人あたり居住延床面積 建物景観調和性 建物高さばらつき 周辺自然環境性 1人あたり緑地面積 居住快適性 Amenity:AM 局地環境負荷性 交通騒音レベル 地震危険性 地震による期待損失余命 洪水危険性 洪水による期待浸水深 犯罪危険性 年間街頭・侵入犯罪件数 災害安全性 Safety & Security:SS 交通事故危険性 年間人身事故発生件数 このLPsにb)居住者のQOLに対する価値観を表す重みを乗じたものをQOL値と定義し、式(9)~(11)に示すように定式化する。 ()()(),TQOLgigi=wLPs (9) ()()()(),,,TgwgACwgAMwgSS⎡⎤=⎣⎦w (10) ()()()()TiACiAMiSSi⎡⎤=⎣⎦LPs (11)

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