プローブデータを用いた交通安全評価に関する研究
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43のレビューからドライバーが感じていると考えられる質問を想定した。「急ぐことをしなくり、結果的に、安全確認ができるようになる。」と「運転時に精神的な余裕が生まれる。」は、大変思うと多少思うを合わせると、それぞれ、20名(90%以上)、16名(約70%)が思うと回答した。「運転時の精神的な負担が大きくなる。」では、あまり思わないとの回答が10名と最も多かったが、大変思う、多少思うの回答を合わせると8名で約35%となり、精神的な負担となることも示唆された。 4.3. 4章のまとめ プローブデータを用いて、エコドライブの実践と安全運転行動との関連性について検討した結果、乗用車においても、エコドライブを心がけ燃料消費率が小さいドライバーは、追突回避や急な飛び出しの接触回避のための急ブレーキが想定されるヒヤリハットの発生頻度も低くなる可能性が示唆された。また、エコドライブを推進している事業者を通じてトラックドライバー、運行管理者にアンケートを実施し、エコドライブが交通安全につながるがる要因把握を試みた結果、エコドライブの運転方法は、交通安全につながっていると考えられていること、エコドライブには「急ぐことをしなくり、結果的に、安全確認ができるようになる。」という良い影響があることがわかった。今後、さらに、アンケートの自由解答欄の解析を進め交通安全につながる要因について検討を行う。 参考文献 1) 間地寛、春日伸予、石太郎、大聖泰弘:エコドライブ活動による燃費改善と交通事故低減、自動車技術会論文集、Vol.38、No.3、pp.99-104、2007 2) 人とまちへの思いやり。とよたエコドライブ、とよたエコドライブプロジェクト成果発表会資料、2011.3.13、豊田市 3) 牧下寛、森健二:エコドライブを意識した運転時の車両挙動と反応時間、交通工学、Vol.44、No.2、2009 5. まとめ 本研究では、プローブデータを用いて実事故地点との一致度合いから、危険箇所抽出手法の妥当性を検討した。今後は、交通事故の予防的対策の観点を含め、プローブデータのさらなる活用を検討する。また、エコドライブの広い普及に向けて、交通安全との関係性についても定量的な評価についても検討を行うことが課題であると考える。 謝辞 「豊田市エコドライブ推進プロジェクト」に参加頂いたモニターの皆様、実施主体である豊田市都市整備部交通政策課、アンケート調査にご協力いただいたトヨキンクリーンセンター株式会社のドライバー、運行管理者の皆様にこの場を借りて心から感謝申し上げます。また、本研究で用いたプローブデータは、一般社団法人交通工学研究会が実施した「CO2排出量の可視化技術の開発」の成果の一部である。

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