プローブデータを用いた交通安全評価に関する研究
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374. エコドライブの交通安全面からの評価 低炭素社会の構築を目指したエコドライブが道路交通の安全性にもたらす影響について、既往研究において十分な定量的分析、考察がなされているとは言い難い。そこで、第4章では、プローブデータの解析による安全運転評価の適用例として、エコドライブの実践と安全運転行動との関連性について検討を行うとともに、エコドライブを推進している豊田市内の事業者を通じで、トラックドライバー及び運行管理者に対して、事故低減の要因とエコドライブの関係についてアンケートを実施し、エコドライブと交通安全の関係把握を模索した。 4.1. エコドライブと急減速挙動に関する検討 4.1.1. 検討の目的 第2章で述べたように、エコドライブに取り組む運送業者等では、交通事故の減少といった副次的な効果を生んでいる。一般ドライバーにおいても、エコドライブに取り組むことが交通事故の削減に寄与することを実証することができれば、エコドライブの受容性向上、効果的な普及につながると考えられる。しかし、一般ドライバーについては、事故の減少等の副次的効果の報告はない。また、事故は稀な事象であることから、プローブデータを収集している間に、実際に、事故が起こることはほとんどない。そこで本研究では、エコドライブの実施と事故の減少に関する実証的な基礎的検討として、プローブカーを用いて、燃料消費量とヒヤリハット出現頻度の関係を把握することを目的とした。 4.1.2. データの解析方法 モニター間の燃料消費量を比較するため、利用車種として最も台数の多い同じ型式のハイブリッド車のみを本検討の解析対象とした。また、LED表示器によるリアルタイムのエコドライブ指導は行っていない段階のもので、エアコンの使用による燃料消費量への影響が少ないと考えられるデータを用いることとした。以上から、2011年4月の1ヶ月間のハイブリッド車(プリウス40台)のデータを解析対象とした。 モニター毎に、加速度の頻度分布、燃料消費量、走行距離、走行時間を集計した。また、本検討では、全走行時間当りの該当加速度の発生時間の割合を出現頻度と定義し、燃料消費率(cc/km)を走行距離1km当りに必要なガソリン量(cc)とした。急減速挙動の加速度閾値を-10km/h/s(-0.28G)以下(領域⑤)と設定するとともに、加速度の領域をいくつかの区間に分け、燃料消費率と該当する領域の出現頻度の相関について解析を行った。以下に、設定した加速度の領域を示す。また、例として、加速度の頻度分布の例を図 27に示す。 .領域①:10km/h/s(0.28G)以上 .領域②:5km/h/s(0.14G)以上 かつ9km/h/s(0.26G)以下 ・領域③:-4km/h/s(-0.11G)以上 かつ4km/h/s(0.11G)以下
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