プローブデータを用いた交通安全評価に関する研究
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11. はじめに わが国で低炭素社会の構築が目指される中、運輸部門ではエコドライブなどこれまでにない新たな試みが取り組まれており、その交通環境下での影響が注目されている。一方、近年個々の車両により取得されるプローブデータを用いて交通問題を解決する手法は、車載機や通信技術の高度化によりデータ測定、検証の詳細度が向上するなど、交通円滑化や環境対策等の側面において目覚ましい発展を遂げているといえる。ここで、交通安全の観点から個々の車両の挙動を捉えようとする試みとしては、特定地点における安全対策の実施前後の挙動比較や、ドライブレコーダから得られるデータの解析によるものが多く見受けられる中、プローブデータを用いた安全性評価については、高速道路のカーブ区間や織り込み区間といったような自動車専用空間における線的な側面からのアプローチが多くを占める一方、一般道路における面的なエリアを対象とした安全評価への適用事例はあまり見られない。 広域的な交通安全対策を検討するにあたり、対象地域内の危険箇所を抽出する際には人身事故データやヒヤリハットデータの分析といった古典的な手法が主に用いられている。そのような背景のもと、動的で即時性や収集効率が高いと期待されるプローブデータを用いた安全性評価が可能となれば、交通安全対策の有効度の高い提言手法が見出されるものと考えられる。本研究では、プローブデータを用いた安全性評価の可能性と危険箇所抽出の考え方およびその妥当性を検討することにより、交通安全性の確保に向けた有効なデータの利用方法を提示することを目的ととして研究を行った。
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