プローブデータを用いた交通安全評価に関する研究
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293.3.2.3. 車両別の加速度特性の検討 一定の加速度を閾値として危険箇所の抽出条件を設定するという考え方が広く用いられている一方で、古屋ら5)は、個人ごとに危険と判断される「通常と異なる加速度」値が異なるという考え方を提案している。 図 22の加速度頻度分布の例に示すように、モニターによって運転中の加速度分布は異なっている。この例で、モニターAは、モニターBに比べて、発生している急加速、急減速の加速度絶対値が大きい。したがって、図の斜線部分に示すように、加速側、減速側、それぞれで、全運転時間に対して一定の時間割合を占める領域が、危険な挙動と判定される加速度領域であると考えると、個人ごとに危険挙動を判定する加速度は図中の↓のように異なる値を用いる必要がある。 古屋ら5)は、抽出率として0.01%を用いたが、その根拠や妥当性については検討の余地があると思われる。(本研究では、全運転時間に対する一定の時間割合を抽出率と呼ぶこととする。) そこで、本研究で用いるプローブデータについて、モニター毎(個人ごと)に、加速度頻度分布を作成し、抽出率を0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.05%、0.01%としたときの、危険挙動と判定される加速度閾値を算出した。抽出率別にみた加速側の加速度閾値の頻度分布を図 23に、抽出率別にみた加速側の加速度閾値の頻度分布を図 24に示す。 1101001000100001000001000000-20km/h/s(-0.57G)-18km/h/s(-0.51G)-16km/h/s(-0.45G)-14km/h/s(-0.4G)-12km/h/s(-0.34G)-10km/h/s(-0.28G)-8km/h/s(-0.23G)-6km/h/s(-0.17G)-4km/h/s(-0.11G)-2km/h/s(-0.06G)0km/h/s(0G)2km/h/s(0.06G)4km/h/s(0.11G)6km/h/s(0.17G)8km/h/s(0.23G)10km/h/s(0.28G)12km/h/s(0.34G)14km/h/s(0.4G)加速度発生時間(秒)モニターAモニターB一定の時間割合を占める領域となる加速度の閾値 図 22 加速度頻度分布のイメージ

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