プローブデータを用いた交通安全評価に関する研究
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103.2.3. 事故の特性 事故の特性を考慮した危険箇所抽出手法を検討するため、事故データの特性について解析を行った。人対車両、車両相互、車両単独、踏切の事故類型別にみた事故件数について、死傷事故(全ての事故内容の合計)を表 5に、さらに、死亡事故、重傷事故、軽傷事故の事故内容別に、それぞれ、表 6、表 7、表 8に示す。なお、緯度経度情報を持たない事故データは解析対象としていないため、事故に関する統計(例えば、平成22年度豊田市交通事故データ調査委託報告書4)等)と事故件数が一致していない場合がある。 死傷事故をみると、事故類型として車両相互の割合が87.3%と大きな割合を占めていることがわかる。軽傷事故も同様に車両相互の割合が88.1%と大きな割合を占めている。死亡事故、重傷事故においても、車両相互事故の割合は、他の事故類型に比べて高い割合を占めているが、それぞれ、72.6%、51.5%と、軽傷事故での割合(88.1%)に比べて低くなっていることから、死亡事故と重傷事故に注目した危険箇所抽出手法の検討が必要であると考えられる。 割合の多い事故類型である車両相互の事故について、さらに、詳細な事故類型の内訳を表 9に示す。内訳をみると追突事故、出合頭事故が、それぞれ、39.1%、28.5%と高い割合を占めている。続いて、右折時事故、正面衝突事故の順に割合が高い。事故類型によって、事故の発生場所や状況が異なることから、事故類型に注目した危険箇所抽出手法の検討も必要であると考えられる。 表 5 豊田市における死傷事故(全事故)の発生件数 人対車両車両相互車両単独踏切合計平成17年1872,55719702,941平成18年1832,57320802,964平成19年1942,44716202,803平成20年1702,26814402,582平成21年1692,08712112,378平成22年1481,91812802,194合計1,05113,850960115,862割合6.6%87.3%6.1%0%100%データ年死傷事故(件) 表 6 豊田市における死亡事故の発生件数 人対車両車両相互車両単独踏切合計平成17年395017平成18年3125020平成19年473014平成20年882018平成21年455014平成22年194014合計235024097割合23.7%51.5%24.7%0%100%データ年死亡事故(件)

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