報告書 地方都市における企業TDMMMに関する研究
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- 24 - (4)開催結果 講演会には、全体で53名の方々にご参加いただいた。以下、講師からの発表概要を示す。 ○井上氏の発表概要 井上氏からは、医学の立場から、健康づくりのための運動(身体活動)の重要性を踏まえ、普段の生活環境の中で運動をどのように実現していくかについてお話しをいただいた。生活環境と運動との関係について、人口密度が高い都市や、歩道や自転車道が整備されている都市のほうがよく歩く人が多いという研究成果や、自動車に乗る時間と肥満の関係、通勤で自動車を使っていない人は、使っている人よりも歩行数が多い人の割合が多いという研究成果をご紹介いただいた。以上のように、健康づくりのため、生活環境を変えることで運動量を増やすことができる可能性があるが、その実現のためには、様々な研究分野の協働と、説得力のある研究成果をさらに積み上げていく必要があるとの内容であった。 ○太箸氏の発表概要 太箸氏からは、企業におけるエコ通勤実践担当者の立場から、ヤマハ発動機(株)におけるエコ通勤に関する取り組みについてお話しをいただいた。エコ通勤に取り組むこととなったきっかけは、エコ通勤ありきではなく、「従業員のエコマインドを醸成する」という大きな方針の中で、その手段としてエコ通勤が選ばれた、ということであった。実際に従業員にエコ通勤を実践してもらうために、徒歩や自転車への手当て、電動アシスト自転車、電動バイクの購入補助、鉄道やバスの乗り換え手当て、通勤バスのサービス向上などの施策が実施されている。また、毎月エコ通勤参加状況を調査するメールが配信されるなど、とにかくエコ通勤に参加する意欲を駆り立てる工夫がとられている。その結果、エコ通勤の実践割合は年々増加し、2010年には7割弱の参加率となっている。こうした結果をフィードバックし、みんなで参加するというモチベーションを持続していることが、成功の秘訣ではないかと自負しておられた。 図2-21 講演会の開催風景
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