報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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735章 制度・費用面からみた面的速度マネジメント (1)速度マネジメント実現のための制度 速度マネジメント実現のための制度として、(公社)日本交通政策研究会シンポジウム「生活道路の交通安全と面的速度マネジメント~次期交通安全基本計画の主要論点から~」にて紹介された「社会資本整備重点計画」と平成22年度に創設された「社会資本整備総合交付金」について紹介する。 1)社会資本整備重点計画 社会資本整備重点計画は、社会資本整備重点計画法(平成15年法律第20号)に基づき、社会資本整備の方向性を示すものである。具体的には「社会資本整備重点計画は、国民生活・産業活動の基盤を形成する社会資本について、計画期間中、どのような視点に立ち、どのような分野に重点をおくのかといった「整備の方向性」を明確にし、その方向性を踏まえて、社会資本整備に関する「政策目標」とその実現によって国民が享受する「成果」を示すとともに、「限られた財源の中で効果的かつ効率的に社会資本整備を実施するための取組」を明らかにするものである。」とされる。 社会資本整備重点計画のポイントについては図5-1のとおりとなっている。ここで示されるように、本計画では交通安全施設等整備事業の中で「あんしん歩行エリア」における面的な交通事故対策など、歩行者・自転車対策及び生活道路対策の推進が柱として掲げられている。図5-2は具体的施策の整備指標を示している。あんしん歩行エリアにおいては、歩行者・自転車死傷事故抑止率が掲げられるなど、積極的な整備推進が目指されている。これらの点からも、面的速度マネジメントの社会的要請の高さが窺える。 図5-1 社会資本整備重点計画(平成21年3月策定)の概要1)

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