報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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62っている。 時速20マイル速度規制の面的な実施は4年間にわたる推進作業の結果である。 ・2004年に市役所は「交通静穏化レビュー」を行い、市内を10地区の時速20マイル・ゾーンに分け、弱い立場の道路利用者を重視して、死傷事故データで重みづけして優先順位を示した。市議会はこの事業の達成のために1ゾーンあたり約22万ポンド、合計2,00万ポンドの費用で、毎年2地区ずつ5年間でゾーン規制を実施することを決定した。この戦略は、住宅地道路に数多く、バラバラに存在する人身事故に対応しようとするものであった。 ・最初の“時速20マイル・ゾーン”の協議が進む中で、3件の死亡事故が発生したため市につながる3ルートの内の1本の速度を削減させるべきとの市民の要求に迅速に答える必要が生じた。このため、実験的な“時速20マイル規制”が設定された。合わせて周辺道路の交通速度と交通量の測定が行われ、それらの道路での実勢速度は、道路交通令で示される数値よりも十分低いことがわかった。同時に、“安全通学路”事業の協議で市民は学校の外側と周辺の住宅地道路での時速20マイル規制を望んでいることが示された。こうして元にあった10地域の時速20マイル・ゾーンに代わって広域の時速20マイル規制が生まれた。 ・警察との協議を経て、住宅地道路に焦点をあて2年間で実施するため財源措置のため6地域を確認した。 ・各地域にある対象道路についての総合調査事業が実施された。市民の支持を得るため関連するステークホルダーとのさまざな協議を行い、2006年4月よりこの時速20マイル規制の実施(協議プロセスを含む)を始めた。2008年3月には6地域全体での実施が完了した。 ・これらの道路での事業実施が比較的ゆっくり進んだ原因は、主に車道の実効幅員を狭める車道の狭さくと路上駐車への対応にあった。

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