報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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50 主に近年、このゾーン20の効果に関する多くの文献が散見される。表4-4は2003年に報告された当時導入されていた137の内、78のゾーンにおける事前事後のデータ交通事故死傷者数の変化を示したものである。これは事前7年間、事後3年間での地点当たりの年間死傷者数の変化率を示したもので、すべての死傷者で46%、特に重症や死者だけに着目すると60%もの削減率があったことを示している。 表4-4 zone20導入後の各種効果(減少率) (D C Webster, R E Layfield: Review of 20mph Zones in London Boroughs, TRL,2003) また表4-5は更に詳細に分析を試みた結果について述べられている。ここでは、ゾーン内道路とゾーンに近接する道路において発生した件数の比較を導入前の1986年から2007年のデータで比較をしている。ここでも、先程の表4-4同様、ゾーン内では死傷者が41.9%減少しており、さらに重症、死傷者の削減率が大きくなっている。一方で隣接する地域においても減少傾向は見られるものの、これは全道路の削減傾向と比べると有意な差がないという結果が示されている。

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