報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
42/179

38(2)道路管理者・交通管理者から見た受容性 道路利用者、交通管理者から見た速度マネジメントの受容性として、ここではあんしん歩行エリアを導入している愛知県内の自治体への意識調査の結果の一部整理と、平成23年1月に実施した埼玉県川口市のヒアリング結果から整理する。 1)愛知県内の事例(道路管理者の場合) 本調査は平成22年7月に愛知県内のあんしん歩行エリアを導入している自治体に対して実施した。複数の安心歩行エリアを実施している自治体については、あんしん歩行エリアごとに回答を依頼した。調査概要を表3-4に示す。 表3-4 道路管理者調査概要 対象:愛知県内であんしん歩行エリアに指定される地域を包含している自治体(ただし、名古屋市は実施地区別に回答を依頼) 調査時期:2010年7月中旬 調査方法:郵送配布・郵送回収 回収数:26票(回収率74%) 調査項目:実施した対策、実態調査の内容、実施時の課題、制度の活用状況、予算、地域住民団体・企業などからの補助・協力の状況、推進組織の詳細、実施計画の作成状況、面的速度規制への意識など ここで、面的速度規制への意識について、表3-5のような設問を設定し、「積極的に行政から声を上げて面的に速度規制を実施していくべき」、「行政自ら声を上げてまでではないが面的に速度規制を実施していくべき」、「面的な速度規制はあまり実施すべきではない」、「面的な速度規制は全く実施すべきではない」の4段階での回答を伺った。 表3-5 面的速度規制への意識についての設問 昨年(平成21年)の10月に警察庁から規制速度に対する通達がだされ、生活道路については、地域住民との協議を踏まえた上で、原則として最高速度を30km/hとする基準が示されました。あんしん歩行エリアのような生活道路が密集する地域においては、地域の安全を考慮するために面的(地区全体)に30km/h規制を行っていくことも重要と考えられますが、これについてどのように考えていますか。 結果を図3-18に示す。「行政自ら積極的に実施していくべき」と回答したのは4%にとどまったものの、「実施していくべき」と回答した自治体は88%にのぼり、実施に対して肯定的な意見が9割以上を占める結果となった。愛知県の特定地域による結果ではあるが、このように道路管理者側からは、面的速度規制に対しての受容性が確認できる。

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る