報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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35運転者、住民の安心感に与える要因分析 各種交通安全対策の実施によって、運転者、住民の安心感を高めるのか否かを把握するため、ここでは各因子(対策)の主効果をみる。 図3-15、16に結果を示す。図3-15の運転者の安心感に影響を与える因子についてクラスカル・ウォリス検定を行ったところ、路面標示および歩道境界線の設置を除くすべての因子で有意差が確認できた。なお、狭さくにおいては負の主効果が現れているが、この列(第5列)は他の因子の交互作用の影響を受けないため以下で解釈を行う。特にカラー舗装整備、横断歩道整備の主効果が高く、運転者の安心感に与える影響度合いが大きいことがわかる。一方で、狭さくは上述のように負の主効果が現れており、設置により運転者の安心感を低下させることがわかる。 次に図3-16の住民としての立場での安心感に影響を与える因子についてクラスカル・ウォリス検定を行ったところ歩道境界線および狭さくの設置を除くすべての因子で有意差が確認できた。特にカラー舗装、横断歩道、路肩カラー舗装整備など道路面を特徴づけることによる主効果が高く、住民の安心感に与える影響が大きいことがわかる。 全般的に対策の実施によって運転者、住民双方とも安心感を上昇させることが示された一方、狭さくは運転者側の視点では有意となったものの、住民の視点では有意とはならなかった。狭さくは負の値となっており、運転者の安心感を低下させるものの、住民側の安心感には影響を与えるとはいえないことがわかる。 1.81.922.12.22.3なしあり片側両側なしありなしありなしありなしありなしありカラー舗装**標識**路面標示歩道境界線狭さく*横断歩道**路肩カラー舗装**得点 ※クラスカル・ウォリス検定**:1%有意、*:5%有意 図3-15 対策の運転者の安心感に与える影響

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