報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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29市民側の受容性は、面的な規制の場合や、自動車の利便性を低下させた場合、さらに地域差を考慮した場合でも高いことが明らかであるといえよう。 2)具体的な空間整備の受容性 上述のように、市民における速度マネジメントに関する考え方の受容性が確認できた一方で、どのような空間においてそのような速度マネジメントが受け入れられるのかについて、明らかにしておくことはその導入において意義のあるものと考えられる。よって、以下では地域、結節点部、単路部の3つの視点から空間整備の受容性について整理する。 A)空間に対する受容性 地域の視点 地域の視点からの受容性について、表3-1で示した調査結果から整理する。図3-9に走行速度を下げるべき生活道路について、10種類のそれぞれについて回答を得た結果を示す。 これをみると、「歩行者や自転車が多い商業店舗の集まる中心市街地近くの生活道路」や「通学路の多い幼稚園、保育園、小学校や中学校近くの生活道路」でそう思うという回答者が多い。また、「住宅がまばらな農村地域の生活道路」や「地域や施設などに限らない、すべての生活道路」では「そう思わない」という回答が比較的多い。 以上より、地域視点からみた受容性では、まず地域により受容性があることを確認した。生活道路のすべてや住宅がまばらな農村などの生活道路において速度規制を実施していくのは、受容性が高くない場合がある一方で、中心市街地や学校付近の生活道路などにおいては受容性の顕著な高さが確認できた。このような点は、速度マネジメントの優先順位を考慮していく際にひとつの参考となると考えられる。 0%20%40%60%80%100%歩行者や自転車が多い商業店舗の集まる中心市街地近くの生活道路(n=619)通学路の多い幼稚園、保育園、小学校や中学校近くの生活道路(n=619)お年寄りが多い老人ホームやデイケアセンター近くの生活道路(n=620)住宅が密集する地域の生活道路(n=616)住宅がまばらな農村地域の生活道路(n=614)大型車の交通量が多い工場が集まる地域の生活道路(n=614)自動車の交通量が多い郊外のショッピングセンター近くの生活道路(n=615)体の弱い方の通行が多い病院の近くの生活道路(n=614)子供からお年寄りまでが集まる公園の近くの生活道路(n=617)地域や施設などに限らない、すべての生活道路(n=617)そう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない 図3-9 走行速度を下げるべき生活道路

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