報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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153 山崎:今回はゾーン以外も全部かけていますから。路線でも。 太田:ゾーンの中の生活道路のほかのところをどうするかということです。これは議論が必要です。 豊田では、市の道路に立派なのが幾つかあります。県道はお金がなくて進んでいないんですが、豊田市のほうは重要だからとどんどん進めていますから、むしろちゃんとした道路が市道であったりするんです。そういう大きな道路からある程度規制をして。それでも規制がかかっていないところがあるかもしれない。ですから、利用者から見ると分からないんです。立派な道路でも法定速度でいいところと悪いところとあって、その辺がはっきりしないんです。 幹線道路だけはきちっと速度規制をして論理的につながるようにしましょうというのは大前提で、その上で囲まれた部分については法定速度並みに出入り口で区域規制をかけたらどうかというのが1つの案です。あるいは、川口市さんのように、路線を決めて、主要なものだけかけておくと。ただ、あとは何もしないと、言われないからということで、利用者としてもどうかという話です。 澤登:地元の交通課長として限られた予算と限られた人員の中でやっていますので、そのゾーンの中での優先順位をつけてやっていく必要があるということです。先ほどお示しした川口基準は、全国にお知らせするいい基準になるのではないかと思っています。これだけ説明責任のつく材料をそろえて。 太田:我々はこうしましたということですね。 澤登:必要最小限で最大の効果を出すための1つのいいお手本ではないかと考えています。たくさんの予算とたくさんの人員があれば、すべてに規制をかけたいですが。 太田:豊田市で、出入り口に全部標識を立てることと、入り口は路面標示にして、幹線側はスムース歩道にしてしまうということで予算を見積もったところ、試算ですが、全体で1億5,000万円ぐらい、旧市街地だけですが、そのぐらいで済むと。もう少し金額がかかるかと思っていたので、びっくりしたんです。 国道、県道、市道の全体で、市街地全体で1億5,000万から、せいぜい2億円ぐらいでできると。ちゃんとした補助の仕組みを国交省のほうでつくっていただければ、十分可能性があるかなと思います。バラバラにやっていくのは非常に時間がかかるし、場所によってはやりにくいところもあるかと思いますので。私のほうでは長期的にはこういうことも考えていますが、実務的にできるかどうかは今後の検討課題でとなります。

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