報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
15/179

11(4)生活道路重視型の場合 生活道路重視型とした場合の各対応について図2-12~2-14に示す。図2-12は道路構造と交通量からみた対応である。上述のように、ここで課題となっているのは南北を走る生活道路に中程度の交通量が入り込んでいること、補助幹線道路において交通量が比較的少ない状況になっていることなど、交通量と道路構造が合致しなくなっている点にある。よって、生活道路においては、幹線道路との接続を制限しつつ、車道幅員を減少させるなどして、車両の走行を抑制させることが想定される。一方、補助幹線道路においては生活道路への転換を目指し、中央線を抹消し、路肩もしくは歩道を拡幅するなどして、本来の交通量と道路構造を合致させることが想定される。 続いて、図2-13は道路構造と最高速度規制からみた対応である。ここで課題となっているのは幹線系重視型同様、一部の生活道路に最高速度規制が指定されていないため、法定速度である60km/hが適用されている点にある。よって、ここでは生活道路に適正な最高速度規制を設定し(図中では30km/h)、さらに図2-12で補助幹線道路から生活道路へ転換した区間についても適正な速度を指定することが想定される。また、道路利用者に最高速度規制の指定状況が明快にわかるように道路の段階構成が切り替わる箇所(生活道路の入り口)において路面標示もしくは標識等により速度を明示することが想定される。 続いて、図2-14は道路構造と都市計画道の改良状況からみた対応である。ここで課題となっているのは一部の補助幹線道路で改良済みとなっていない区間の方向性を如何に考えるかという点にある。よって、ここでは現状維持、もしくは交通量を増加させない方向で道路構造および規制を実施していくとともに、整備に併せて機能の再検討していくことが想定される。 図2-15はこれらの対応をすべてまとめたものを示す。以上のように、同様の道路ネットワーク下にあったとしても、幹線系重視型と生活道路重視型のいずれを想定するかによって対策箇所やその内容が異なる場合が多々想定される。政策的な展開においては、このほか土地利用などの地域性なども考慮する必要がある。

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る