報告書 速度マネジメンの実現に向けた研究
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139道路をつなぐのみの道路ではないこと。 5つ目は、モール、コミュニティ道路など道路構造により、速度抑制が図られている道路でないこと。歩車共存のコミュニティ道路、歩行者中心のモール的なもの、ハンプや狭さくなどにより速度が出せない道路ではやりませんよということです。 6つ目は、原則として市街地または住宅街であること。本庁の規制基準にありました生活道路のところから引用したものです。 このほか、3つ目の「1時間あたり数値が120以上であること」については、8つの要件を規定していまして、そのうち3項目以上該当すれば、120以上の数値がなくても必要性があると認められるとしています。交通量については、これを緩めれば緩めるほど規制の必要判断基準が緩くなるという状況になります。 主な交差点の改良例を2つご紹介します。いずれも芝区域です。 1つ目は、芝小学校西側交差点です(スライドNo.17)。これは既に県土木さんのほうでやっていただきまして、実施されています。県道が右から下に90度のカーブをしていて、そこに市道が変則的に2路線交差している交差点です。上下の長さが約35メートル、左右の幅が20メートルという非常に大きな交差点ですが、このとおり何の標示もありませんので、歩行者もそうですが、車の走行位置が定まりませんし、県道の左折する車の速度が下がりません。交差点の右側の角地にはスーパー、左手には飲食店がありまして、店舗前の異常な接近、危険な交錯もありました。そこで、歩行者の空間を確保することと車両の走行位置を徹底させることを目的として、コンパクト化を行っています。右の図のように交差点を相当縮めた結果、歩行者用の空間ができています。 2つ目は、原の下橋交差点です(スライドNo.18)。これはこれから市のほうで実施予定です。都市計画道路です。歩道付きの車道9メートル。下から上に向かっている都市計画道路に一時停止があります。左の斜めの道路から来る車と、上に抜けていく車と比べた場合、赤いセンターラインの入ったほう、そこから左に行く車の交通量が圧倒的に多いので、下からの車を一時停止させていたわけですが、一時停止を見逃したら、衝突してしまいます。そこで、この規制を明確にするとともに、主従道路も明確に構造的にするために、従道路を左に大きく振りまして整序化することにしています。 最後に、実施対策についてご説明します(スライドNo.19)。 まず、住民対策です。規制前の対策と規制後の対策、要するに規制前の住民合意の関係です。冒頭に説明したとおり、今回は市民の要望から始まっていますので、住民の合意形成に関する問題点は特にありません。また、今回は一方通行や通行禁止など、通行障害に及ぶ規制がありません。ですから今回は、警察から市のほうに要望について回答するという形で説明し、その後、住民に対して市からその旨回答してもらうという形をとっています。 例えば、芝区域で30キロ規制を実施するにあたっては、町会の会長連合会のほうの会議の席上にて、市役所のほうでこういうふうに区域規制をしますよという説明をしまして、町会のほうから文書回答で賛同を得ています。

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