報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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5 表3-4 曜日別トリガー発生時の平均速度 月・木曜日ルート 火・金曜日ルート 月 木 t値火 金 t値 車両1 49.6 (23) 58 (27)1.28 66.1 (48)57.9 (22)1.18 車両4 26.3 (6) 40.3 (7)0.97 21.1 (30)22.9 (16)0.36 車両5 43.8 (5) 34.4 (12)0.51 37.2 (22)20.3 (20)2.44* 車両7 56.8 (42) 56 (29)0.16 61.5 (27)54.9 (26)1.07 車両8 18.3 (21) 21.7 (21)0.96 27.9 (23)31.1 (20)0.54 車両9 24.6 (8) 29.5 (29)0.82 24.1 (48)28.5 (17)0.72 車両10 24.6 (13) 25 (14)0.07 44.3 (33)32.6 (18)2.76** 全体 40.7 (118) 39.9 (139)0.24 41.3 (231)37.2 (139)1.48 ※( )内はデータ数、単位:km/h、**:1%有意 表3-5 曜日別トリガー発生時の平均加速度 月・木曜日ルート 火・金曜日ルート 月 木 t値 火 金 t値 車両1 0.94 0.89 0.64 0.91 0.73 3.36* 車両4 0.61 0.68 0.42 0.62 0.61 0.04 車両5 0.87 0.71 0.82 0.69 0.67 0.31 車両7 0.94 0.84 1.58 0.89 0.9 0.15 車両8 0.53 0.52 0.27 0.5 0.54 0.88 車両9 0.45 0.45 0.04 0.45 0.49 1.44 車両10 0.53 0.5 0.60 0.76 0.68 0.98 全体 0.77 0.67 2.75**0.69 0.68 0.48 ※データ数は表3-4と同じ、単位:G(=9.8m/s2)、**:1%有意、*:5%有意 ③全体的傾向のまとめ 以上のように、車両間にはいずれの指標においても大きな差がみられた一方、発生頻度と速度においては、火曜日が特徴的であり、加速度においては月曜日が特徴的であることがわかった。車両間については、運転者の個人属性だけでなく走行経路が異なるため、その影響について詳細な分析の必要性が窺える。一方、加速度で特徴のあった月曜日は、運転時のどのような状況下において高い衝撃を生じるのかの詳細な分析が必要となろう。 ここで、発生頻度と速度で特徴的傾向がみられた火曜日の原因について考察を加える。まず、表3-2のように、火曜日はごみステーション数が多いルートであるため、その影響が生じている可能性がある。しかしながら、同一のルートを走行しているはずの金曜日は、特に発生頻度、速度とも決して高いとはいえない。この要因を探るため、担当者へのヒアリングを行ったところ、曜日によってごみの排出量が異なるため、決められた作業時間中に業務を完了させるために、搬送担当員が急ぐためではないかとのことであった。曜日別での家庭系ごみ排出量の統計がないため、以下の考察は推測の域を超えないが、火・金曜日ルートの火曜日は前の金曜日から4日間の回収間隔があり、火曜日から金曜日までの3日間と比べてもごみの家庭内での蓄積日数が多くなると想定される。だだし、それならば月・木曜日ルートの月曜日の収集量も多くなると考えられるが、松藤ら8)によれば、一般ごみの排出量は祝祭日当日は減少し、翌収集日に増加する傾向があるという。ここで、データ収集期間における祝祭日をみると、月曜日に多く集中しており(分析対象期間で5日間、全数の約2割に相当)、ごみの排出量が抑えられ、さらに火曜日は祝祭日の翌日であるという影響で多く排出された可能性がある。詳細な統計との照らし合わせが必要ではあるが、本分析を通じてごみの排出量によってごみ収集作業の負荷が生じ、それが車両への衝撃頻度およびその時の速度の上昇につながる可能性が示唆されたといえる。
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