報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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4(2)調査結果 1)全体的傾向 ①トリガーの発生頻度 車道上におけるトリガーの発生頻度は、運転時の車両に生じた衝撃の頻度を表す重要な指標と考えられることから、ここでは曜日別での状況を表3-3のように整理した。全体的にみて、車両間で大きく異なっていること、特に火曜日の発生頻度が他の曜日に比べて多いことがわかる。同一ルートの曜日間に差があるかをみるため、平均値の差の検定(welch法)を行っているが、火・金曜日ルートにおいては、全体および車両4において有意差がみられ、いずれも火曜日の発生頻度が多い。このように火曜日の発生傾向が特徴的であるといえる。 表3-3 曜日別1日当たりのトリガー発生頻度*4 月・木曜日ルート 火・金曜日ルート 月 木 t値 火 金 t値 車両1 0.82 0.96 0.25 1.78 0.79 1.34 車両4 0.21 0.25 0.26 1.11 0.57 2.36* 車両5 0.18 0.43 1.20 0.81 0.71 0.21 車両7 1.50 1.04 0.68 1.00 0.93 0.12 車両8 0.75 0.75 - 0.85 0.71 0.55 車両9 0.29 1.04 1.59 1.78 0.61 1.50 車両10 0.46 0.50 0.15 1.22 0.64 1.27 全体 0.60 0.71 0.68 1.22 0.71 2.52* ※単位:回、*:5%有意 ②トリガー発生時の走行挙動 車両の走行挙動を表現する指標は様々なものがあるが、本研究ではドライブレコーダで収集できるトリガー発生時の地点速度と加速度を取り扱う。表3-4はトリガー発生時の地点速度の平均を示している。全体的にみて車両間の差は大きい一方で、曜日間の差についてはあまり大きくない。同一ルートの曜日間に差があるかをみるため、平均値の差の検定(welch法)を行ったところ、火・金曜日ルートの車両5、車両10に有意差がみられ、いずれも火曜日の速度が高い。このように車両によってではあるが、火曜日に特徴的傾向がみられる。 次に、表3-5はトリガー発生時の加速度(x,y方向の合力)の平均を示している。全体的にみて、車両間の差が大きく、月曜日の値が比較的大きいことがわかる。同一ルートの曜日間に差があるかをみるため、平均値の差の検定(welch法)を行ったところ、月・木曜日ルートの全体、火・金曜日ルートの車両1に有意差がみられた。このように加速度においては、月曜日の値の高さが特徴的であるといえよう。

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