報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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23.急加減速発生時の周辺環境データベース構築とその分析 (1)調査概要 本研究の対象地域は愛知県豊田市で人口約42万人の地方中核都市である。平成20年度の一般家庭から排出される家庭系ごみ(可燃、不燃、資源、粗大、金属、有害)の排出量は自己搬入を除くと84,566トンであり、近年は微減傾向にある7)。平成20年度はごみ処理費用の25%程度が収集運搬費に当てられており、これは焼却処理費(全費用の55%程度)に次いで多い。豊田市では平成21年4月現在、72台のごみ収集車(中型・小型プレスパッカー)を保有している。本研究の対象となるごみ収集車は写真3-1に示す中型車両であり、最大積載量は2トンである。豊田市へのヒアリングによると、家庭系ごみの収集は2人一組で行われ、車両の運転は基本的に常に同一の搬送担当員が行う。各車両は決められた各地域のごみステーションを巡回しながら、最大積載量付近に到達した時点で、市内の処理施設に搬送する。豊田市の場合、一般的な収集作業では一日約5~6回地域と処理施設を往復する。なお、巡回するごみステーションは決められているが、その巡回ルートについては各搬送担当員に一任されている。 豊田市では、平成17年より逐次ごみ収集車へのドライブレコーダ設置が進み、近年はほとんどの車両に搭載されている。本研究ではこのドライブレコーダ(D社製、WITNESS-Ⅱ)のデータを用いるが、その特徴として、トリガー(急加減速など車両への衝撃)発生時の①車両前方の映像(発生時の前12秒間、後8秒間、計20秒間)、②x,y方向の加速度,③速度、④日時が記録される。なお②、③は1/30秒間隔でデータが記録される。本ドライブレコーダのトリガーはメーカの実験等により決められているが、各車両とも同一の設定値かつ設置箇所も同一(ルームミラー近辺)であることから、車両間でその判定に差は生じないと考えられる。 表3-1に調査の概要を示す。調査期間は平成21年7月から平成22年1月初旬である。対象車両数は当初10台を想定していたが、約5ヶ月間のデータ回収状況、巡回するごみステーションの把握状況などの制約条件から、ここでは表3-1に示す7台を対象とした。対象とするデータは、月、火、木、金曜日のデータである*2。なお、各車両は、それぞれ異なる地域のごみを収集しているが、収集日でみると、月曜日と木曜日、火曜日と金曜日が同一のごみステーションを巡回するルートとなっている。 収集したデータは映像から判読し*3、①走行状態(直進中、左折中、右折中など)、②道路構造(車線数)、③発生場所(車道(単路部、交差点部)、駐車場など)、④沿道環境(住居、商業店舗、農地など)、⑤発生要因(路面の不良、他車の影響など)を付帯情報としてデータベース化した。なお本研究に使用するデータは、車道上で発生したものに限定している。 写真3-1 対象とするごみ収集車(中型プレスパッカー)
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