報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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27事故を軽視したりする傾向が強いほど、事故や違反、ヒヤリハットの少ない運転となることを意味する。この結果は、本調査対象が運転に慣れたプロドライバーであることなどを考慮する必要があり、この運転者の性格が運転者の運転に対する自信を表現している可能性がある。 他方、走行時の環境意識に着目すると、正の影響を与えていることから、走行時の環境に対して問題を感じると安全運転が損なわれることを意味している。ここで走行時の環境意識を規定する観測変数のパス係数をみると、労働環境の意識が最も大きく、次いでごみの量が多いときの意識が大きいことが分かる。想定していたごみの量の多さが運転者の意識に影響を与え、それが実際の安全運転を損ねていることをここから確認することができる。さらに生活道路と幹線道路の意識を比較すると生活道路の意識のパス係数が大きく、幹線道路に比べ安全運転に与える影響が大きいことがわかる。 以上のように、ごみ収集時においてごみの量の多さが安全運転を阻害している構造が示され、この結果を踏まえた対策の重要性が確認できる。 ※観測変数の( )内は同一カテゴリ内の因子、主成分の寄与率の順位を示す。 図4-14 意識構造モデル(標準化解) n=27 カイ二乗値=111.841 (有意確率=0.002) GFI=0.673 CFI=0.513 RMSEA=0.146

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