報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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26表4-11 主成分負荷量(ごみ収集時のヒヤリハット体験) 変 数 主成分1主成分2主成分3 主成分4横断中の歩行者に接触しそうになったこと 0.47-0.16-0.70 0.28追越や追い抜き中に対向車と事故になりそうになったこと 0.820.03-0.16 0.32カーブなどで対向車線にはみ出して衝突しそうになったこと 0.78-0.090.29 0.29走っている前の車に接近しすぎて追突しそうになったこと 0.79-0.030.11 0.10信号待ちや駐車中の車に追突しそうになったこと 0.620.260.05 -0.43交差点で出合頭に車や自転車と接触しそうになったこと 0.660.28-0.32 -0.24追越や追抜時に追い越す車に接触しそうになったこと 0.870.040.06 0.28車線変更の時に他の車と接触しそうになったこと 0.730.040.35 -0.26すれ違いの時に対向車と接触しそうになったこと 0.46-0.600.01 -0.50左折の時に他の車や歩行者と事故になりそうになったこと 0.70-0.260.13 0.16右折の時に他の車や歩行者と事故になりそうになったこと 0.700.26-0.17 0.07バックをしていて事故になりそうになったこと 0.42-0.69-0.30 -0.22車がスリップして事故になりそうになったこと 0.87-0.110.29 0.13人や自転車がとびだしてきて事故になりそうになったこと 0.420.36-0.44 -0.23前の車が急ブレーキをかけて事故になりそうになったこと 0.700.330.16 -0.27固有値 7.011.401.29 1.14寄与率 46.759.348.59 7.59 (8)ごみ収集車の安全運転を構成する意識構造モデルの構築 これまでの分析を通じて整理したデータを用いて、共分散構造分析によるごみ収集車の安全運転を構成する意識構造モデルを構築する。 共分散構造分析を行うに当たり、本研究ではパッケージソフトAmos19(IBM社)を使用する。図4-13で想定したモデルに従い構築していく中で、モデル全体の精度を念頭に、観測変数の選定については変数増減法により取捨選択を行った。その方法は、寄与率の大きい因子もしくは主成分を優先する考え方で実施した。 結果を図4-14に示す。本研究のようなサンプル数が少ないケースにおいてはモデルの精度をカイ二乗検定で判断することが適切である12)が、図4-14に示されるように有意水準が0.002と棄却されるため当てはまりが悪い。本モデルでは想定していた安全運転の評価(自己評価)へのパス係数が非常に小さく、その影響が小さいことが確認できる。よって、安全運転の評価へのパスを削除し、再度モデルを構築した結果を図4-15に示す。カイ二乗検定の有意水準が0.070と棄却されず、当てはまりのよいモデルとなっていることがわかる。よって本モデルをもって意識構造の考察を試みる。 まず、安全運転へ向かう潜在変数のパス係数をみると、運転者の性格からのものが最も大きく、次いで走行時の環境意識となっている。車両に対する意識はパス係数の値が低く、ほとんど安全運転には影響を与えていないことがわかる。次にその符号をみると、走行時の環境意識は正に、運転者の性格と車両に対する意識は負の値になっていることがわかる。ここで、運転者の性格を規定している観測変数に着眼すると、攻撃的傾向、事故軽視傾向、漫然・脇見運転傾向の値が高い。これは、攻撃的であったり、

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