報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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(5)走行時の環境に対する意識 走行時の環境に対する意識について、本調査で把握した「ごみの量が多いときの意識」、「生活道路・幹線道路に対する意識」、「労働環境に対する意識」それぞれの調査項目について、構造モデルをより明快に解釈できるよう、観測変数の値を集約させるために主成分分析を行う。なお、(4)同様、回答のカテゴリー間の距離について適切に表現するため、シグマ値法*5を用いて、順序尺度を間隔尺度に換算した値を用いる。 1)ごみの量が多いときの意識 表4-6に主成分分析の結果得られた主成分負荷量を示す。固有値が1以上となったのは第1主成分のみで、寄与率は68.16%である。主成分負荷量は「あせる」、「せかせかする」「ストレスが多い」の順に正の値が大きい。この第一主成分によってごみの量が多いときの意識を凡そ説明できると考える。 表4-6 主成分負荷量(ごみの量が多いときの意識) 変 数 第1主成分 危険である 0.79不安である 0.78あせる 0.90せかせかする 0.89ストレスが多い 0.85楽しくない 0.82しんどい 0.74固有値 4.77寄与率(%) 68.16 2)生活道路・幹線道路に対する意識 表4-7に生活道路に対する意識の主成分分析の結果得られた主成分負荷量を示す。固有値が1以上となったのは第1主成分、第2主成分であり、累積寄与率は第2主成分までで72.24%である。第1主成分は「走行しづらい」、「走行していて危険である」、「走行していて不安である」、「走行していて不快である」といった変数で主成分負荷量の正の値が大きく、走行時の意識面そのものを集約している。第2主成分は「人通りが少ない」、「車の通行量が少ない」といった変数で主成分負荷量の正の値が大きく、走行空間の状況に対するイメージを集約している。この第1、第2主成分によって生活道路の意識を凡そ説明することができると考える。 表4-8に幹線道路に対する意識の主成分分析の結果得られた主成分負荷量を示す。固有値が1以上となったのは、生活道路同様、第1主成分、第2主成分であり、累積寄与率は第2主成分までで73.62%である。第1主成分は「走行しづらい」、「走行していて危険である」、「走行していて不安である」、「走行していて不快である」といった変数で主成分負荷量の正の値が大きく、走行時の意識面そのものを集約している。第2主成分は「人通りが少ない」、「車の通行量が少ない」といった変数で主成分負荷量の正の値が大きく、走行空間の状況に対するイメージを集約している。いずれも生活道路と同様の傾向に
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