報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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18いと考えられる。また、運転に対する同乗者からの評価については、有効回答が少なく、モデル化にあたって精度面での課題が生じると想定される。以上を踏まえて、意識構造モデルを図4-13のように修正した。このモデルを用いて運転者の意識構造に与えるごみの量の影響について把握することを試みる。 安全運転運転者の性格走行時の環境に対する意識車両に対する意識安全運転の評価観測変数(調査項目)潜在変数(仮説) 図4-13 ごみ収集車の安全運転を構成する構造モデル(修正後) (4)運転者の性格 運転者の性格については、自動車安全運転センターの研究成果1~3)を元に算出する。運転者の性格は、上述の運転に対する意識から算出される。 ここで、回答のカテゴリー間の距離について適切に表現するため、シグマ値法*5を用いて、順序尺度を間隔尺度に換算する。変換された値を用い、因子分析による運転性格を規定する因子の抽出を試みた。因子の推定には反復主因子法を用い、固有値1.0以上の因子を抽出した。 1)自分の車を運転する時の性格 因子分析の結果を表4-2に示す。その結果7つの因子を抽出することができた。これらの因子による累積寄与率は73.94%である。ここでは因子の解釈をしやすくするため、斜交回転(プロマックス法)を行っている。この結果を踏まえて因子を命名した。命名の際には、自動車安全運転センターの研究成果1~3)を参考にした。 因子1:攻撃的傾向 因子2:運転への価値傾斜傾向 因子3:危険容認傾向 因子4:違反容認傾向 因子5:漫然・脇見運転傾向 因子6:他車より先行したい傾向 因子7:事故軽視傾向 自動車安全運転センターの研究成果では、抽出された因子数は6であったが、本研究の結果からは7つの因子が抽出されることとなった。その傾向に大きな違いはないが、因子6(他車より先行したい傾

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