報告書 車両挙動および運転者意識分析に基づく公用車の安全走行に関する研究〜ごみ収集車に着目して〜
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104.ごみ収集車ドライバーの意識調査分析 これまでの分析結果のように、家庭ごみの排出量によって運転挙動に変化が見られる可能性がある。この影響を取り除くことで、どの程度運転者の安全運転に寄与するのかを明らかにしておくことが重要と考える。 ここでは、運転者がどのような要因によって安全運転を行うのかについて、「運転者の性格」、「走行時の環境」、「車両の状態」などの潜在要因が影響しているとする共分散構造モデルを構築することで、特に、ごみ排出量に関連がある「走行時の環境」の影響度合いを明らかにし、ごみ収集車の安全走行を担保するために取り組むべき方向性について明らかにしようとする。 (1)ごみ収集車ドライバーの運転意識の構造モデル 一般に、交通事故の発生原因は「人」「環境」「車両」にあることが言われている。そのため、本モデルでは、運転者が行う「安全運転」は、「運転者の性格」、「走行時の環境に対する意識」、「車両に対する意識」から構成されると仮定する。さらに、運転者の「安全運転」がその「評価」につながると仮定した。 「運転者の性格」の調査については、これまで様々な研究報告があるが、ここでは比較的大規模に経年的に取られている自動車安全運転センターの調査1~3)を元に実施した。なお、「運転者の性格」は単にごみ収集車運転時だけでなく、普段、自らが運転する自動車運転時の経験も寄与すると考えられるため、その影響も考慮することとした。 以上を踏まえて、本研究で想定する運転者の安全運転を説明する構造モデルは図4-1のように設定した。 安全運転運転者の性格走行時の環境に対する意識車両に対する意識安全運転の評価潜在変数(仮説) 図4-1 ごみ収集車の安全運転を構成する構造モデル(仮説)

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