報告書 自治体バスの運賃以外の収入に関する調査研究
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11. 背景と目的 現在,特に地方都市で自治体が交通空白地域解消,廃止代替など市民の生活の足を支援する目的で運行するバス(以下,自治体バス)の多くは,地域の社会的基盤の一つとして位置づけられつつある.しかし,近年の深刻な財政状況の中では,その経済的負担は自治体によっては非常に大きなものとなっている.平成20年に実施された既往調査1)によれば,自治体バスの収支状況をみると,7割の自治体バスが収支率50%を切る状況にあり,収入の9割以上が運賃収入で占められている自治体が全体の84%といった実情にある.上記調査から3年が経過した現在でも経済的負担に対する抜本的解決策が期待されている中で,バス運行のための財源を工面するため自治体が行っている様々な努力,特に運賃以外の財源も含めた実態について明らかにしておくことは,今後の自治体バスの運営に対して示唆を与えるものと考える. このような現状に基づき,特に,地方都市における自治体バスの運行財源において,運賃以外の運行財源に注目しつつ,その獲得状況ついて全国の自治体に対して意識調査を実施した.本研究ではこの結果について整理し,自治体バスの運行に関する基礎的資料を提供することを目的としている.
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