報告書 自治体バスの運賃以外の収入に関する調査研究
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16次に,図-16は収支状況別に運行委託費といった各支出を計上している自治体の割合を示している.運行に直接関わると想定される「運行委託費」や「赤字補填費」などの支出は収支率による自治体間の差はほとんど見られないが,「設備投資」や「広報費」といった支出では,収支率の比較的高い「中高」,「高」の自治体において計上している自治体が多いことがわかる. 図-17はその内訳別の平均支出額を示している.収支率の「低」で「その他」が突出しているが,これは広域路線やデマンドタクシーなどに対する他の自治体,地区に対する運行負担金の影響が大きく出ているためである.クラスカル・ウォリス検定を行ったところ,「運行委託費」においてのみ1%水準で有意差があった.「運行委託費」は収支率が「低」の自治体のみ金額が低く,他の自治体の半額程度となっている.全般的に収支率が高い自治体ほど支出額も大きい傾向が見受けられるが,回答自治体数の制約などもあり統計的な有意差があるとはいえないという結果となった. 010,00020,00030,00040,00050,00060,000低(n=157)中低(n=152)中高(n=153)高(n=153)平均額(千円)収入支出 図-13 収支状況別平均収入・支出額

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