報告書 自治体バスの運賃以外の収入に関する調査研究
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73. 自治体バスの運行財源に関する実態 (1) 調査の概要 上記の実態整理を踏まえて,次のような調査を企画した.調査概要を表-2に示す.調査は平成23年1月中旬に郵送配布・回収方式により実施した.調査対象は総務省のホームページ3)平成22年3月時点の市町村の公共交通担当課とした.調査項目は自治体バス(1)の運行路線数とその目的,収入・支出の内訳,収支改善に対する意識などである.1,002の自治体から回答を得たが,そのうち本研究の分析に関連する内容の記載が適正であった(2)912の自治体を分析対象とした. 表-2 調査の概要 調査日:平成23年1月中旬 調査方法:郵送配布・回収(一部電子メールによる回収) 調査対象:自治体の公共交通担当課 配布・回収:配布票1,727,有効票912(有効回収率52.8%) 調査項目:①運行路線数・目的とその重要度 ②運行見直し時の重視項目 ③収入・支出内訳 ④収支改善に対する意識 (2) 自治体バスの運行路線とその目的 自治体バスの運行財源実態把握するにあたって,まずは自治体バスの運行路線とその目的についてどのような傾向にあるのかを整理する. 図-6は本調査による自治体が抱える自治体バスの路線数について示している.「1~5路線」といった小規模な路線構成の自治体が多く,全体の4割以上を占めている.自治体バスの路線は保持していない「路線なし」の自治体も多く,全体の3割程度を占めている. 図-7は自治体バスを運行している自治体(644自治体)において,その運行目的別平均路線数と変動係数を示している.路線数について一元配置分散分析を行ったところ,1%水準で有意差があった.運行路線数が多い目的は「交通空白地域の解消」と「高齢者等交通弱者の対応」である.当該目的を抱える自治体は全体の7割を占めており,これらの目的での自治体バスの運行の多さを物語っている.他方,運行路線数が少ない目的は「市町村合併後の対応」と「観光振興」である.これらの目的を抱える自治体は全体に占める割合も他の目的と比べて少なく,運行している自治体,ならびに運行していても運行している本数が少ない目的といえる. 変動係数は運行本数に反比例して大きくなっているが,特に「市町村合併後の対応」において値が大きく,自治体間でばらつきがあることがわかる.

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