報告書 自治体バスの運賃以外の収入に関する調査研究
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6(4) まとめ ここまで,運行財源,運行収支,運賃の現状について既往研究を参照しつつ,自治体バス(ここでは,コミュニティバス)について,民営バス,公営バスと対比しつつその傾向を整理した.これを踏まえると,①運行財源については,多くが運賃収入に依存している点で類似していること,一方,②民営,公営バスとくらべると,自治体バスは非常に収支状況が悪いこと,しかしながら,その設定運賃をみると③均一運賃で比較的低い価格設定とされていること,などが明らかとなった.この点を踏まえると,自治体バスは財政規模の大きな民営バスや公営バスと同様な運賃依存型の運行財源に関する収支構造を踏襲しつつも,設定運賃は低くされており,その結果,収支率の低さにみられるような大幅な赤字体質を形成しているといえる.ここで着眼すべきは,自治体バスはそもそも運賃からの収入で十分な運行経費が賄えないことが明らかであるにも関わらず,運賃依存型の収支構造を採用している点にある.運行の適正化に向けて,自治体はまずはこの収支構造からの脱却を目指すべきであると考える.しかしながら,どのような手段で,脱却すればよいかについては殆ど明らかになっていない状況といえる.

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