報告書 行動実態データに基づく障がい者のアクセシビリティ向上方策に関する研究
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57 ここから考えられる今後の検討すべき課題について示す。 ・地域的な状況への配慮 ・運賃などの補助や助成は割合で決められている。バス鉄道タクシーなどで、距離と連動して運賃が決まる場合においては、どこに住んでいるかによって負担が変わってくる。地域によっては、医療施設への距離が長いなど、こうしたことが外出の抑制につながっている可能性もあることから、何らかの配慮する必要もあると考えられる。特に、医療施設等への訪問は、負担が平等になる方策を検討することが望まれる。 ・移動を自動車に依存する割合は高くなっている。支援制度においても、自動車の取得や改造に関する支援策が盛り込まれる。豊田市の移動の実態に即した支援制度になっているものと考えられる。一方で公共交通の利用促進を考えるのであれば、さらに充実した支援制度が期待される。 今後の課題 空間的な特性を中心に、障がい者の行動実態データからアクセシビリティを向上させるために検討をこころ見た。障がい者においても、自分が運転するか送迎してもらうかは別として、移動に自動車を活用していることから、地域的な特性や距離による課題はあまり大きく見出せなかった。 障がい者が外出したいという意思を持ったときにあまり多くの労力を掛けずに、外出できる状況が理想的であると考えられる。しかし実際は支援者により送迎される障がい者が多い状況である。 今後、高齢化が進展すれば、自動車などの利用できないそうも広がると考えられる。支援策として、現在埋もれてしまっている課題を抽出し、方策を探ることが今後必要であると考えられる。

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