報告書 行動実態データに基づく障がい者のアクセシビリティ向上方策に関する研究
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54 ④空間的分析のまとめ ここまでに空間的な分析を試みた結果を示す。 ・移動の距離は外出回数に影響を与えるまでには至っていない。買い物目的を見るとわずかではあるが関係性がある可能性が残る。 ・就労や就学が可能である障がい者は、ほぼ週5日の外出を行っており、日常的な外出行動ができている。一方で、通学を行っている人は、都心部に近いエリアに居住している結果が示されており、原因と結果の関係性を深く探る必要がある。 ・目的によって主となる交通手段がことなり、居住する地域によっても異なる。鉄道の利用はサービスがない地域では少なくなっていることが確認できた。 ・福祉施設への訪問で送迎バスの利用が多くサービスも提供されていることが確認できた。 ・通院目的でのタクシーの利用が多くなっていることが明らかになる一方で、中山間地では利用が減っていることが確認できた。可能性として、病院などでは、タクシーがかならず待っていたり、タクシー運転手の対応が、配慮されていたりすることから利用されやすい環境にあることも想定できる。 ・買い物目的での移動の目的地もある程度集中していることが確認できた。中山間地でなるべき近くで買い物をすませることも想定できたが、足助など中心部の商業施設までは移動していることが明らかになった。その場合に自動車が利用されていることも明らかになり、自分で運転しない、送迎してもらっている状況でも、自動車を使用し、移動して買い物が行われている。 ・通学や通院などでは移動の目的地の集中状況が確認できた。福祉施設への訪問では、目的地が他の目的と比較して分散していることが確認できた。障がい者の高齢化が進み障がい者福祉の施設だけでなく、高齢者福祉の施設も利用する状況下においては、各地域の福祉拠点が有効に活用されていることがわかる。 ・全体を通して自動車の活用状況が地域的な課題や距離の問題の負担を小さくさせているように考えられる。その中で、自分では自動車が利用できなくても、ほかの人に運転してもらって自動車で移動している状況もあり、障がい者を家族でささえる状況が形成されている。 ・一方で、移動距離が長くなると考えられる中山間地でも、バスを利用し移動している人もあることから障がいの程度によってはバスの利用ができる状況であるため、今後の高齢化や独居化(介助者がいない状況)がさらに進むとすれば、公共交通の利用は進み、今まで対応できていない事態が発生する可能性がある。よりいっそうの障がい者への対応を期待したい。 ・
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