報告書 行動実態データに基づく障がい者のアクセシビリティ向上方策に関する研究
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42 こうした学校への豊田市内の各地区からの到達時間(自動車)でみると、市北部の地域で、30分以上時間がかかる地域がある。そうした中で、実際に通学を行っている人の数は少なくなっている。また、アンケート結果からは、市内の学校通っている人のみであった。(市外の学校のホームページ上では豊田市からの通学者がいることを示している例もある)利用される交通機手段は、送迎バスによるものが多く、送迎バスの存在が、利用者の移動を確保していることが明らかになった。 行先としては、市内の高等養護学校に集中している。一方で、公共交通の利用はほとんどされていないことも明らかになった。送迎バスを利用しない場合には、家族などによる送迎が主となる。ただし、年齢が高くなれば運転免許等が取得可能であり自分で運転し、通学している人もいる。障がいの種別や程度により差が生じている。 一方、養護学校などの施設から離れた地域では、通学者がほとんど存在していない。このことは、通学のための負担が大きく移動ができていないと考えられる一方対象となるような年齢層や障がい状況の障がい者が存在していないといった点でも考えられる。いずれにしても十分な検証ができていないため、明確には示せないものの、何らかの負荷により、中山間地で、障がい者が通学を行うには不便な状況があることが、あきらかになったのでないかと考えられる。 障がい者の就学就業環境と居住地と移動の関係は、障がいの種別や程度と深く関わりを持っており、個別の状況として深く分析をしていく必要がある。 図3-41 学校への到達圏(自動車で30分)と通学者移動手段

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