報告書 行動実態データに基づく障がい者のアクセシビリティ向上方策に関する研究
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10 ②各移動目的における交通行動実態と課題の把握 1)外出目的と移動手段の関係性・地域に着目した移動手段の実態 外出目的別の障がい者の外出実態において、外出時の移動手段に差異が表れているかについて明らかにすることを目指す。外出目的によってとれる手段が違うのであれば、これを充実させることにより、外出をスムースに行わせる方法につながるものと考えられる。 分析にあたっては、地域(都心部、郊外部、中山間地)によってその違いを見ることとした。これは、都心部と、郊外部、中山間地では、鉄道がないなど移動環境に差異があり、そのことが、移動の手段選択に影響を与えていると考えられることを考慮するためである。 ア.通勤・通学目的での地域別の移動手段 すべての地域で「自動車(自分)」の選択率が最も高い。都心部では、自動車を自分で運転する割合に次いで高いのは、徒歩(15%)であり、次いで、鉄道での移動の割合が高い。郊外部、中山間地の場合では自動車による送迎の手段選択率が高くなる。 14%3%8%1%33%13%3%10%0%15%12%5%8%1%36%22%1%5%1%9%6%9%9%3%33%21%0%6%0%12%0%5%10%15%20%25%30%35%40%45%50%都心部(72)郊外部(169)中山間地(33) 図2-10 通勤・通学目的の地域ごとの移動手段 イ.買物目的での地域別移動手段 中山間地では、徒歩での移動の割合が他地域より低く、誰かに運転してもらって自動車で移動する人の割合が他地域より高い割合となる。これは、目的地への近接性が影響している可能性がある。この点のついての検証は、後述の空間的な分析で行う。また、この目的では、前述の通勤・通学目的と比べて自動車の選択率(自分で運転+他人が運転)が高くなっている。

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