報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅴ編 パーソナルモビリティ導入に向けた法制度・インフラのあり方の提案 152 ③引率者との同伴時の運転許可 観光地等において、PMVの貸し出し事業者等による交通ルールに関する学科講習や実技講習を受け、限られたエリア内をインストラクターの引率のもとで運転する場合にのみ運転を許可する方法が考えられる ただし、貸し出し事業者等は、運転希望者の運転操作技能や交通ルール理解の程度を考慮し、場合によっては講習を受講しても乗車を許可しないこともできることとする 上記の形による運転許可の方法を取る場合、貸し出し事業者等は、運転者に講習を行うとともに、引率することができる資格を設ける必要がある (2)PMVのための新たな車両区分の設定 道路運送車両法の規定では、原動機により道路を走行することを目的とした乗り物(架線を用いない)は、原動機の排気量や定格出力の大小に応じて、自動車または原動機付自転車に区分される。しかし、これらの車両は歩道を走行することができない上、運転する場合には運転免許を受ける必要がある。 つくばモビリティロボット特区の実験に用いられるPMVは、原動機の排気量や定格出力の大小に応じて、原動機付自転車または内閣総理大臣と国土交通大臣がそれぞれ指定する特殊な構造を有する自動車(特殊自動車)に区分される。さらに、原動機付自転車に区分されるものについては、保安基準の緩和措置を受けることができる。 これらの指定や基準緩和を受ける必要がないようにするためには、PMVのための新たな車両区分を設定することが考えられる。 また、車両区分と運転免許制度の関連を考慮し、PMVの運転許可制度に合致した車両区分を設定する必要がある。 (3)道路の段階構成を考慮した交通ルールのあり方 道路には、その機能に応じた段階構成が存在する。例えば、2種類に分類する場合、通過交通を処理する道路は幹線道路、幹線道路からの端末(アクセス)交通を処理する道路は生活道路として分類することができる。 現在、交通安全対策の一つとして、あんしん歩行エリアが設定され、様々な交通安全対策メニューが検討されている。そのなかで、道路網が主に生活道路で構成される一定のエリア全域にわたって規制速度を面的に制限する施策が検討されている。これは、面的速度マネジメントと呼ばれる。自動車の走行速度と交通事故発生時の致死率の関係から、エリア内の規制速度を一律30km/hに制限するという内容のものである。 面的速度マネジメントが実施されているエリア内においては、すべての車両が30km/hに抑えられることとなる。30km/hでの走行能力を持つPMVであれば、自動車等と等速度で走行することができる。こうした地域においてはPMVと他の車両との速度差が小さく、より安全に車道走行することができると考えられる。 一方、面的速度マネジメントのエリア外におけるPMVの走行についても、道路の幅員構成、道路の機能、交通量等を踏まえ、安全に走行するための方法を検討する必要がある。
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