報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅴ編 パーソナルモビリティ導入に向けた法制度・インフラのあり方の提案 1503-3 PMV導入にあたって留意すべき点 以上の整理から、PMVの社会への導入にあたっては、以下の点に留意する必要があると考えられる。 (1)PMVの運転操作の観点から留意すべき点 自動車や自動二輪、自転車等と比較してPMVの運転操作は比較的容易と考えられる しかし、安全に乗車するための必要最低限の指導を行う必要があると考えられる また、PMVで走行する際には、インストラクターによる安全確保が行われること、あるいは、PMV乗車上のルールやマナー等を熟知するとともに遵守した上で問題なく運転できることが、安全を確保する上で必要になると考えられる (2)インフラの観点から留意すべき点 つくば市の特区で実験を行う場所の条件として、幅員や歩行者等の通行量の基準が示されている。基準の妥当性については実験の中で明らかにされていくと考えられるが、PMVの走行には一定の空間が必要である 市民の意見をみても、インフラに求める機能として、専用の走行空間や広い歩道を指摘する割合が大きい しかしながら、現状の道路空間を考えると、歩道すら確保されていない場所が多く、PMVの走行環境の整備は容易ではない。そうした環境を整備できるよう、道路空間の再編も視野に入れた検討が求められると考えられる また、つくば市の実験では歩道が対象となっているが、交通課題の解決に向けては、車道を走行できる方が解決できる可能性のある課題が多く、車道走行も視野に入れておくべきと考えられる (3)市民意識の観点から留意すべき点 PMVに対する受容性はまだ十分に高いとは言えず、引き続き周知、啓発を行う必要があると考えられる 希望する利用場面に対する回答結果からは、PMVが「生活に密着した乗り物」よりも「非日常的な移動の際に使う乗り物」というイメージが強いと考えられる。PMVが交通課題に対応していくためには日常的な移動での利用される必要があり、そのような場面での利用を想起させる周知が求められる

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