報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅴ編 パーソナルモビリティ導入に向けた法制度・インフラのあり方の提案 148第3章 パーソナルモビリティ導入にあたって留意すべき点 ここでは、PMVに関する市民意識調査の結果を元に、PMV導入に向けた法制度、および、インフラに関係があると考えられる、PMVに対する受容性、運転操作に対する意識、希望する利用場面、PMV利用に向けて不足していることについて、留意すべき点を整理する。 3-1 PMVに関する市民意識調査から得られた知見から留意すべきと考えられる点 (1)PMVに対する歩行者の立場からみた受容性 まちなか、建物内で利用されている状況ともに、調和感や利便性ともに十分に高い評価が得られているとは言えないが、否定的な評価ではないと考えられる。 安全性に対する評価については、調和感や利便性と比較して低い結果となっている。 (2)運転操作に対する意識 実際に試乗を体験していない見学者については、座乗型と立ち乗り型の双方について、およそ半分の方が問題なく運転できそうと回答している 実際に試乗を体験した体験者については、座乗型については約9割が問題なく運転できたと回答し、操作性についても肯定的な評価が得られている 立ち乗り型については、約7割が問題なく運転できたと回答し、操作性については一部の項目(その場での旋回)を除き、否定的ではないが比較的低い評価である (3)希望する利用場面 立ち乗り型、座乗型ともに指摘が多かったのが、「観光地での周遊」「中心市街地内での短距離移動」である。長距離の利用と比べて、短距離の移動に利用したいという回答が多い 座乗型については、「障がい者や高齢者の移動支援」や「従来よりも行動範囲を拡げる新しいシニアカーとしての活用」が多く、高齢者を指向したと考えられる回答が多い 立ち乗り型については、「建物内の移動」が多い 一方、「中山間地での生活交通」や、「都市と周辺での業務交通」等を希望する割合は小さい (4)PMV利用に向けて不足していること 車両そのものに求める機能としては、「荷物を載せるスペース」や「雨天でも乗れる屋根」を指摘する割合が大きい インフラに求める機能としては、「専用の走行空間」や「広い歩道」を指摘する割合が大きい

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