報告書 交通イノベーション・産業イノベーションの実現化に向けての基礎調査
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第Ⅳ編 パーソナルモビリティの先進的な活用事例に関する調査 138■構造改革特区に関する検討要請に対する各府省庁からの回答 (2009年12月16日) 表Ⅳ-5-5 搭乗型移動支援ロボットの公道(歩道)走行社会フィールド実証試験特区 構造改革特区に関する検討要請に対する回答 警察庁(抜粋)19) 制度の所管・関係府省庁 警察庁 国土交通省 該当法令等 道路交通法第2条第1項第8号、第11号、第11号の2、第11号の3、第3項第1号 道路交通法第17条第1項 道路交通法第63条の3、第63条の4 道路交通法第84条第1項 道路交通法施行令第1条 道路交通法施行規則第1条、第1条の3、第1条の4 道路交通法施行規則第9条の2 (道路運送車両法第2条、第40条、第44条等) 制度の現状 道路交通法第84条第1項の規定により、自動車及び原動機付自転車を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならないとされている。 道路交通法第17条第1項の規定により、車両は車道を通行することが原則である。 歩道を通行することができる者は、歩行者を始め、道路交通法第2条第3項の規定により歩行者としてみなされる身体障害者用の車いす、歩行補助車等とされている。また、道路標識等により当該歩道を通行することができることとされている場合等においては、普通自転車も、歩道を通行することができる。 提案に対する回答 1 直ちに措置できない理由 現在開発が進められている搭乗型の移動支援ロボットは、現行制度においては、道路運送車両法上、原動機の定格出力の大小に応じて自動車又は原動機付自転車に当たる場合があると考えられ、その場合は道路運送車両の保安基準に適合するものでなければ、運行の用に供することができない。また、当該ロボットを運転する場合、道路交通法上、運転免許の保有を必要とし、車道を通行しなければならないこととなる。 他方、当該搭乗型の移動支援ロボットの歩行者混在空間での実証実験については、歩道における歩行者やその運転者の安全を確保するために必要な措置が十分に検証、検討されていない状況にある。 このような現段階において、搭乗型の移動支援ロボットを自転車等と位置付けて歩道を通行させることは時期尚早と考えられ、仮に対象地域や対象者を限定した特例措置であっても、交通事故が発生した場合は人の死亡、負傷、後遺障害という不可逆的な危害をもたらし、特例措置の停止等の事後的な対応では取り返しがつかないこととなることから、十分かつ慎重な検討が必要である。 2 検討主体、検討内容、検討プロセス 特区内の一定の道路における実証実験の実施が可能となるよう、道路使用許可等の必要な法令上の措置、安全を確保するために必要となる具体的措置等につき、国土交通省とも連携して速やかに検討を行う。 (検討内容) ○ 使用する搭乗型の移動支援ロボットの仕様 ○ 道路交通環境の条件(道路構造、交通量等) ○ 必要となる安全措置(走行速度、使用者の講習、歩行者等への注意喚起等) 3 検討を開始する時期、検討開始後実施までに要する期間 実証実験の実施に向けて、平成22年度中に一定の結論が得られるよう、速やかに検討を開始する。

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